第498(2008年11月04日号)

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オバマかマケインかで株価暴落か上昇かが決まる?
両者の違い

オバマの支持者は「大衆」。大衆とは個性(ID)のない集団である。大衆心理には優劣、上下の差別がなく特色が無いのが特色である。大物たちがオバマを支持する理由は、白紙のオバマを利用してアメリカの政治に自らの野心を描くことが出来るからである。

マケインは経験があり、高齢だし、しっかりした信念を持っているから御しにくい。

アメリカの顔

アメリカの大統領は、政策以前にアメリカの元首でありアメリカの顔である。建国以来アメリカの顔は建国の父たちと同様の顔、白人であった。リンカーン(白人)は奴隷(黒人)を開放し、ケネディー(白人)は黒人に公民権を与えた。アメリカの顔は伝統的に与える者(白人)であって与えられる者(黒人)ではない。アメリカの顔が黒人に代わることはアメリカの伝統の否定であり、アメリカそのものの革命である。果たして今アメリカに革命を起こさねばならない理由があるのだろうか。もしオバマが大統領に選ばれるようなことがあったら、アメリカの国民は完全に冷静を欠いていたことになる。


市場はオバマを好まない

人気のためと信念のため、オバマは25万ドル以上の高額所得者に増税し、低所得者優遇策を公約している。貧富の差が拡大する一方のアメリカでは歓迎されるのは当然である。

しかし、今日アメリカがリセッションに陥ることが確実になっていることを考えると、アメリカ経済のエンジンに当たる高所得者に重税を課すことは、「死人の足を引っ張るようなもの」である。今のアメリカの経済状態は、平等など悠長なことを言っている場合ではないのである。オバマが当選すれば、株価暴落はもちろん、アメリカ経済は抜けだすことの出来ないリセッションに突入するだろう。

オバマ支持で有頂天になっている若者が、投票箱の前で、ふとアメリカの顔はオバマでいいのかと気がつくことを祈るしかない。


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