原油価格は、どうどうめぐりで上がる!
アメリカは金融機関の救済措置に約80兆円も使い、公的資金はさらに目白押し。2009年になるとオバマ新大統領が「思い切った公共投資(インフラ中心)」を行う。
税収が落ち続ける中で歳出だけが膨らむから赤字国債の連発は止まらない。ドルが円に対してはもちろん、他の通貨に対しても日ごとに下がるのは当然のことである。
もともと世界一の対外債務国で国際収支が恒常的赤字なのに、正にばら撒き型かつ天文学的財政支出でドルの価値が下がるのは必至。
ドルの下落で相対的に上昇するのは当然ゴールドである。昨年(2007年)は不安定な株式市場(Equity
market)から商品市場にマネーが移動したためゴールドも原油も上がりだし、あっという間に147ドルまで跳ね上がり、今度は世界的不況で原油の需要が落ちるということであっという間に33ドルまで下落した。1年間の中で原油価格が300%も上がったり、下がったりしたのだから誰でも異常だと思っただろう。私は「2008年は変化の年」と昨年から述べ続けてきたが超大変化となった。原油や金(ゴールド)価格だけでなく株式市場も一日の上げ下げも何十年ぶり。おかげで市場関係者も投資家も超変化に慣れっこになってしまった。
ゴールドも原油も需給で価格が決まらなくなった。ここのところ原油が33ドルまで下がったのでOPECは12月17日来年からの大幅な減産を決定したが原油価格は下がり続ける。NY市場も、消費、失業率、企業決算最悪のニュースが伝わった日に高騰したかと思うとアナリストの予想よりいいGDPが発表されると急落した。今日のNY市場もニッケイも経済情報や企業業績とは無縁になっている。そこで再び私はRule
of action(力の原理)について述べたい。力の原理とは反作用のことで、100の力で叩くと100の力ではじき返されるということである。相場はファンダメンタルに従っているのではなく、力の原理で動く相場にファンダメンタルがたまたま一致したときファンダメンタルで相場が動いたと投資家は錯覚するのである。
さて、もはや言うまでもないが、原油を147ドルから33ドルに急落させた力はものすごいと言わねばならない。ならばその反作用もものすごいことになる。まずは説明する必要の無い「当たり前」が起こる。「ドル安=ゴールド高」である。ゴールド高が牽引車になって原油高がスタートする。ちょうど来た道を帰るようなもの。原油が上がりだすと、世界経済の不況が収まりかけてきたので原油需要が増えるといって囃すだろう。すると今度はアナリストたちは、原油が上がるとガソリン代があがり、消費にマイナスと言い出し、原油価格と株価が反比例する。今までの最初から終わりまでの話を、今度は後ろから聞くことになるだけのこと。私は、こんな堂々巡りはまったく時間の無駄と考える。
相場でも何でも真理はRule of action! あまり難しいことは考えず、私が淡々と説明する「どうなる、2009年!? 不況続行か、回復か、売りか、買いか、!!??」をご参考にして新しい年の方針決定のご参考にしてください。
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