第516号(2009年04月02日号)

増田俊男事務所 http://chokugen.com

不況ゼロ対策の日本

2月の日本の輸出額は前年比で1月46%、2月はなんと49%も落ちた。2000年から2008年まで落ち込みがあったのは2001年のアメリカのITバブル崩壊後の17%前後の落ち込みだけで、その後はアメリカのWar on terror(テロに対する戦争)効果で一気にプラス20%になり、その後は平均で15−17%の上昇を保っていた。ここのところ5ヶ月連続の下落である。理由は言うまでも無くアメリカ、ヨーロッパ、中国の需要減退である。トヨタは世界中での生産を半減すると発表、ニッサンもホンダも追従する。輸出大国日本の輸出半減、もの造り大国日本の代表自動車産業の生産半減!日本の国民はこの「半減」という数字にあまりにも鈍感である。この結果が国民一人ひとりにどんな悪影響となって返ってくるのか考えないのだろうか。私は日本の経済より日本の国民、特に国民に最も大きな影響力を持つマスコミが日本経済の現実にあまりにも無頓着なのに憤りさえ覚える。日本の国民の金融資産は世界一なのだから、外需が冷え込んだ今、国の不況対策の基本は、一にも二にも「内需拡大政策」でなくてはならない。今は財政健全化など口にすべき時ではない。日本は、今手術をしないと子供の命が無いと言う時、手術代金を払うと家賃が払えなくなるからといって手術をとり止めにする親のようだ。大手輸出産業が生産を急激に落とすことの悪影響は中小、零細企業に急速に波及する。政府は中小企業の銀行信用枠を増やすことでこと足りるとでも考えているのだろうか。史上始まって以来の大不況には史上始まって以来の大公共投資で対応しなくてはならない。国土交通省(政府)の道路工事見直し(20箇所)などという感覚は先に述べた子供殺し以外のなにものでもない。こうした官僚の感覚こそが国と国民の敵ではないのか。

こうした状況下では、「ここ一番!」でアドバイスしているように、ここしばらくは現金を抱いて「ここ一番!」の時を待つしかないのでは。

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