あっという間の桜かな
昨年のリーマン・ブラザース破綻ショックの大暴落からアメリカをはじめ世界的に景気回復策を打ち出している。私は、こうした動きを常に
“ Better than nothing “と評してきた。資金供給と財政出動額が失われたDebt(損)と今なお増加し続ける不良債権に到底追いつかないからだ。たとえ帯に短かしといえども、ないよりはましだからである。日米株価が2週連続高値圏で推移しているため不況は底を打ったとする見方がある。しかしまだ商業不動産の焦げ付きと自動車と関連産業の不況がどこまで続くのかの見通しは立っていない。オバマ大統領は、銀行だけはなんとしても救うと言うが、損の数字によっては救えなくなることもある。景気回復型超大予算(350兆円近い)のつけは財政超赤字になるし、ドルを乱発すれば通貨不安に陥る。今の期待相場は表だけを見た相場であって、やがて裏が見えてくると相場は変わる。このままだとアメリカの失業率は10%に向かうことになり、せっかく上昇に転じた消費を引きおろしてしまった。消費あってのアメリカ経済だから、まだ安心できる段階ではない。
オバマ大統領は「変化」が売りものだった
黒人大統領そのものが大変化であったが、常にアメリカの特権階級であった層が今回の大不況で力を落としたところへオバマから税攻勢を受けることになった。底辺志向のオバマ政策は時間がかかるが、やがて平均的国民所得は増加に転じるだろう。平均的国民のロビーストは存在しないから国家が国民利益を守らなくてはならない。すなわち規制強化、大きな国家を目指さざるをえないのである。市場規制強化、国営化等は市場原理からすると市場にマイナスだが、序所ではあるが、国民所得が伸びてくることは、やがて経済の底力となる。
目に見える経済回復までまだ道のりがある。
*見通しと現実を述べて、今後の経済の行方を探った、「ここ一番!」をご参考に。お問い合わせは、増田俊男事務所(03−3591−8111)まで。
*増田俊男の「いよいよ政治が動く、経済が変化する」<2009年Vol.4>で詳しく解説!
いまや中国経済は世界経済に大きな影響を持つから、今回の6%という低成長は今後日本経済にボデーブロウのように効いてくる。
|