今こそ相場のスタートライン
株式相場は、今週で今後の成り行きが決まるでしょう。
今まで2ヶ月間の上げ相場は、米銀の「作られた好業績」によるものでした。Stress
Test(体力テスト)の結果、Bank of America等数兆円の貸倒引当金を積まねばならないことになりますが、社債の下落を利益に組み込むことを連邦会計基準で許されたおかげで、バランスシートが改善され、自力でファイナンスができそうです。こうしたことから、心配された明日のStress
Testは無事終わるでしょう。ニッケイ平均9000円台は、ネガティブバブル(下げ過ぎ)が元に戻った地点といえます。つまり超悲観論を超楽観論で元に戻した形と言えます。したがってこれからが株式相場の「本番」なのです。
かつての悲観論と今日までの楽観論が支配した相場はこの辺で終わりと見るべきでしょう。これからは期待ではなく現実が相場を決めることになると考えるべきです。このことを忘れないでください。
これから6ヶ月間、銀行は兆円単位の引当金を積むことになりますが、果たして今後新たに発生する不良債権をカバーできるでしょうか。クレジットカードと商業用不動産の焦げ付きの不良債権額はサブプライム・ローンの比ではないからです。政府にはもうこれ以上銀行救済予算はありません。失業率は10%に迫る勢いですから、アメリカ経済のコアである消費は必ずしも伸びません。今までの株高は人工(Artificial
)相場。今後は、いわば「本物相場」です。
投資家は、まだ出動すべきではないでしょう。今はちょうどゼロに戻ったと考え、プラスに行くか、マイナスに行くか、(夢ではなく)現実に市場がどう反応するか見極める必要があります。
「ここ一番!」の読者には、3月の安値で買ってもらい、ここのところの高値で売ってもらい、今は静観していただいており、買い時は追ってお教えすることになっています。
明日5月8日に「ここ一番!」を発信しますので楽しみにしていてください。
増田俊男の「ここ一番!」のお問い合わせは、増田俊男事務所(03-3591-8111)まで。
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