第522号(2009年05月11日号)

増田俊男事務所 http://chokugen.com

売り指令

去る3月9日付けの本誌で「買い指令」を出しました。後に3月9日は年初来の安値であったことが証明されたのはご存知の通りです。以後株価は上昇を続け先週金曜日まで3ヶ月連続上昇を続けました。私は「ここ一番!」の会員(読者)の皆様には先々週から「高値売り」と「買いは差し控えるよう」アドバイスしてきました。中には、上げたとはいえ、今売れば損が大きいという方がかなりいましたが、そうした皆様には先週金曜日に強く整理を勧めました。さて、本誌の読者の多くは「ここ一番!」の読者ではありませんが、もし株をなさっているなら今すぐ売却することをお勧めしたいと思います。(責任は負いかねますが)

私はNYが6週連続上昇を演じたとき、「悪い冗談」(Bad joke )と本誌で書きました。今回の日米株価の連続上昇はArtificial(造られた)相場であって「本物」ではないと考えています。いわばオバマ、メディア、銀行の見事なまでの(合法的)価格操作だと思います。Stress Test の先週木曜日(アメリカ時間)までに、オバマはどんなことをしても銀行を救済すると宣言、一気に公的資金を銀行に注入、さらに連邦会計基準(159号)で銀行の債券価格の下落を利益計上させ米大手銀行のバランスシートを良くしました。さらにメディア(アナリスト共々)は、2月の失業率699,000が3月は539,000に大幅改善と囃しました。この数字を作るため政府は3月異例措置で急遽公務員120,000人を雇い入れた事実は報道しません。実は12ヶ月間も職が決まらない求職者が210万人も居ることがBLS(労務省)で発表されています。こうした事実を勘案すれば失業率は15%になんなんとしているのです。

こうした官民一体の価格操作のおかげでStress Test 直前まで銀行の株価は高値を保ち続けたので、大手銀はStress Test 前に優先株を普通株に転換、政府に指摘される前に市場から十分なる貸倒引当金を確保することが出来たのです。さらに自動車産業(Big three)の救済を控えていますが、銀行救済(TARP)の見せ金が銀行から返って来ますので、これを引き当てることになっています。これがManipulation(価格操作)でなくてなんでしょうか。

さてオバマと銀行は目的を達成し、オバマは就任100日目パーティーで、深刻化が始まるアメリカ経済のことはおくびにもださず、冗談の連発でした。なかなかの役者、これぞ大統領の器というものでしょう。

「終わるどころか、これから不況は深刻化する」のが現実なのです。

増田俊男の「ここ一番!」のお問い合わせは、増田俊男事務所(03-3591-8111)まで。


『サンラ・コーヒー記念キャンペーンお礼!』
サンラ コナ・コーヒーキャンペーンは、好評の内に4月末を持ちまして締め切らせていただきました。
キャンペーン期間中は、多数のご注文を頂き、誠にありがとうございました。
抽選結果の発表は弊社ホームページ、時事直言で5月中旬を予定しており、賞品の発送は5月末を予定しております。
この後ともサンラ・コーヒーをお引き立てのほど、宜しくお願い申し上げます。



*増田俊男のプライベート・コンサルティング【面談・電話・FAX・e-mail】のご案内。

 お問い合わせは、増田俊男事務所 秘書 宮岡(03‐3591‐8111)まで



「時事直言」の文章および文中記事の引用ご希望の方は、事前に増田俊男事務所(TEL 03-3591-8111)までお知らせ下さい。


前へ 平成21年度 次号へ
株式会社増田俊男事務所
TEL:03-3955-2121 FAX:03-3955-2122
e-mail : info@chokugen.com