第532号(2009年06月29日号)

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ワシントン情報
不況第二波は来るか?、、、、、「来ない」!

先に述べた通り、今回の不況はアメリカのサブプライム債権を担保にした金融商品がリスク分散の名目で複雑多岐にわたって世界中に分散されたところでサブプライム・ローンが不良債権化。その不透明さが故に信用収縮の規模を計り知ることが出来ず世界金融市場がパニック状態に陥った。リスク分散どころかリスク・スパイラルを起こしてしまったのであった。


 私は本誌で「不況第二波が来る」と何度も指摘してきた。理由は、アメリカで今後さらにクレジット・カードや商業不動産ローンの焦げ付きが発生してくるからだ。新たな不良債権額がサブプライム・ローン焦げ付き額をはるかに上回ることは明白なのでまたもやパニックになるのではと考えた。それはBank of Americaや他の米大手商業銀行が引当金を倍増させている点を見てもわかる。私は、米国債引き受けを中国等海外に依存するリスク回避のため、2004年に行ったHomeland Investment Act(海外の米企業が所得や余剰金を米国内に一定期間内に帰還させた場合、30%の事業税を5%に減税する時限立法)のような立法を提言してきた(本年1月オバマ政権誕生以来)。受身ではなく自らの主導のもとに世界資金を米本国へ帰還させることが重要と考えたからだ。しかし残念ながら6月まで議会で議論されたがHomeland Investment Actは再開されないことに決まった。本法は「万一の場合の保険」。今はまだそこまでする必要はないとの判断であった。そこで私が知らされたのが「ある秘策」であった。私の提案を支持してくれたグループは、実はオバマの秘策を知らなかったのであった。秘策とは、来るべき(私の言う)不況第二波に対する「準備」であった。財務省とFRBは既にクレジット・カードや商業不動産の今後起こる不良債権の内容と規模を策定しており、ケース・バイ・ケースの対策を用意している。そのシミュレーションには短期・長期民間資本との共同体制と利益配分等がこと細かく計画されている。手を上げている大手ファンドの名前さえ記されていた。サブプライム問題の際のようなパニックは決して起こさない確固たる準備体制が確立されているのである。では、アメリカに「不況第二波」がなくなった場合、今日の、そして今後の世界経済をどう位置付けるべきか。世界経済は「底を打って、今や上昇過程にある」ことになるのではないか。今までの私の予想と逆行することが確実になった。では「買い指令」は何時?金は、原油は、為替は? 次の本誌は7月4日です。

※「ここ一番!」は日本時間6月30日、午前中に発信されます。お問合せは、株式会社増田俊男事務所(03-3591-8111)まで


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