第534号(2009年07月08日号)

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温故知新(2)

前回は「日米安保保障条約」がアメリカの「対日侵略条約」である事実を、1997年5月(12年前)の本誌を掲載して解説いたしました。今回は11年前の本誌、「もういい加減に日本に成ったらどうか」を掲載します。


当時私は国会図書館に毎日通って、日本国憲法のオリジナル(英文)を読んでいました。今日の日本国憲法の全文は、オリジナルの日本語版ではありません。


オリジナルを違約する必要があったが、こと憲法なるが故にそうするわけにはいかないので、どうしたかというと、先ずオリジナルの英文を日本語に正確に翻訳しGHQの許可を得ておいて、なんとその日本語を英語に訳し、その英文を再び日本語にしたのが今日の憲法の文章です。何故こんな手の込んだことをしたのでしょうか。当然のことですがオリジナルを読めば誰にでも日本国憲法は対日占領憲法であることがわかってしまうからです。ホイットニー(GHQ民生局長で日本国憲法作成中心人物)をはじめマッカーサー元帥から今日の大統領にいたるまで、今日の憲法全文はオリジナルの翻訳と信じていると思います。私は3ヶ月国会図書館に通い、またオリジナルを印刷した米国の印刷会社から保存コピーを取り寄せ、日本国憲法の隠された秘密を解明したのです。 


1998年7月10日(ちょうど11年前)の私の本誌をお読みください。少し若気の至りのニュアンスがあります。

増田俊男の時事直言!


NO.28
98710日号)

もういい加減に日本に成ったらどうか


 私はこの「時事直言」で何度も「日本の国際定義」について述べた。19741214日の第29回国連総会決議3314号の「侵略の定義」(7項目) を今日の日米関係に当てはめると、「日本はアメリカに侵略されている」(日本はアメリカの侵略下)ことになる。


また「日米安全保障条約」のオリジナル(英文)を正確に翻訳すると「アメリカが日本の安全を保障する義務」など何処にも書いてない。日米安保では「アメリカに対する日本の義務」だけが決められており日本の対米義務の詳細は「地位協定」(6条に基く行政協定) に明確に規定されている。また今日の「日本国憲法」は対日占領軍総司令官マッカ−サ−が草案し、第90回帝国議会で可決され1946113 日に交付されたもの(日本語)で、そのオリジナル(英文)を正確に翻訳すると、第1 条(天皇の地位)、第9 条(戦争放棄)、第98条(最高法規)等の最重要部分が故意に「意訳」(日本語)されている。
 

「アメリカの対日侵略体制維持を憲法で保障している事実」を国民に隠す意図がありありとわかる。日本の戦後は正に憲法で国民を欺くことからスタ−トしている。MADE BY JAPAN の明治憲法を改正する案(松本案)をマッカ−サ−に拒否され、アメリカの国益(対日侵略・政治支配)の為に強制されたのがMADE BY USA の日本国憲法である。私がこう断言するのは私の「私見」ではない。日本の憲法を国連総会決議や国際法規の諸定義に照らし合わせた結論である。「日本国憲法はアメリカの対日侵略憲法」が国際定義!
55年体制」とは、日本の保守と革新が「表面は対立、裏では癒着」の歴史であるが、憲法に対しては、保守は「日本の主権が侵害されていることを知りながら、アメリカに隷属するために利用」し、革新は「反米、親ソを標榜しながら、実際は対日侵略憲法を平和憲法として宣伝」してきた。社会党委員長の村山内閣を誕生させた事自体、日本の保守と革新が「裏」では共に対日侵略憲法を利用してきたことを物語っている。

 

アメリカのアジア・パ−トナ−は中国、決して日本ではない。

 6月25日のクリントン米大統領の訪中をきっかけに、アメリカのマスコミは「中国は日本を越えた」、「アメリカのアジアのパ−トナ−は日本ではなく中国だ」、「中国のダイナミズムと日本の無気力」、等々「日本はもはやアメリカのパ−トナ−ではない」と言う論調が圧倒的である。ル−ビン財務長官も中国の重要性を協調し、では日本はと聞かれると「答えたくない」と言う。クリントンの帰国後はオルブライト長官を「慰め」と「言い訳」の為日本に送り込むのが精一杯。


中国をパ−トナ−に取り組む為にアメリカはどんな手を打ったのであろうか。


1)昨年(1997 )1月日本の財務当局をアメリカに呼んで日本の内需拡大を要請( この時点ではまだ日本に期待) 。一方中国に「円とアジア通貨の暴落の際、中国元の固定相場維持と香港の対ドルペッグ制の維持」を要請、米国は当然見返りを中国に保証した。


2)榊原財務官、経済企画庁長官、日銀総裁のリップサ−ビス効果が無いため、6 月のデンバ−サミットで橋本総理に内需拡大と銀行不良債権処理を世界に公約させる( が結果として橋本内閣の実効性無さが証明された)


3)日本への期待を諦め、ル−ビン財務長官ら米財務当局は19977 月、ジョ−ジソロス等の投機筋に協力を求めタイのバ−ツを皮切りにアジア通貨の大暴落をはかる。円下落。


4)IMF(国際通貨基金) によるアジア諸国の資金援助が求められ、日本に拠出金要請、アメリカ主導でアジア支援計画。日本の金でアメリカ経済がアジアに浸透。


5)日本と世界から米国に流入する資金でドルと株式市場が高騰、9000ドルを越す。


6)981 月英米軍が対イラク臨戦体制。米英の軍事力を世界に誇示。


7)日本に「対イラク警告決議」を安保理に提出させ可決、常任理事国五カ国全員の承認無しで英米が武力行使出来る道を作らせ対イラク戦争の全責任(資金)を日本に課す。


8)98年に入り、中国人民銀行幹部とFRB(米連邦準備理事会) スタッフの連絡密になる。


9) 7
月、クリントン訪中を前に円の暴落、急騰、が2 回繰り返される。


10)
 クリントン訪中。中国が米国のパ−トナ−となる。
 昨年初期のアジア経済情勢はインフレ化( バブル産業が実態産業に比し超大化) で、日本の内需拡大によるアジア買い( 実体産業比率増) の必要があったが実現不可能なため通貨下落でアジア経済規模( 特にバブル産業) を縮小した。円とアジア通貨下落で日本とアジアの対米輸出競争力は増したが米国は日本にのみ通商法(301) で輸入制限を掛ける。


中国の輸出競争力は元の固定相場制のため急速に落ち込み国営企業等に倒産が相次ぐ。


米国の国内産業と輸出産業もアジアからの輸入物価の低下で競争力を失い、バブル産業の好況とは対照的に実体産業は低迷の度合いを深める。


米国は日本の景気回復、内需拡大でアメリカ買いを期待したが無理とみて、「高い元」( 固定相場制のため) に活路を見いだす以外になくなり、そのためにクリントンは昨年7月以来固定相場維持による中国の損害を穴埋めしなくてはならなくなる。
 

そこで米国としてはこれを「市場」で保障する事に決めた( そのため米中国財務当局間で緊密な連絡が行われた) 。クリントン訪中の25日迄に投機筋と米高官の口先協力の基に2 往復に及ぶ円の乱高下のシナリオが実行に移され、中国の過去の損害を保証すべき措置( 為替スワップ) が執られた。クリントンは江沢民の目の前で「市場操作」の実力を誇示し中国の信頼を勝ち取り、一方中国は財務担当高官の「何時でも変動相場制に変えることが出来る」と言う非公式な噂の流布で米国を牽制することを忘れない。
  

米中両国はこの見事なパ−トナ−シップ作戦を一年で完了した。
 

世界一の製造能力、世界一の資金、世界一の債権国( 米国は対日最大の債務国) なのに何故「日本はどこまで喰われ続けるのか」! (徳間書店)


それは日本国の基盤である「日本国憲法が米国の対日侵略憲法」であり、日本に国際主権が無く、日本の政治家の右も左も「右や左の旦那様」と言って世界の立派な政治家の居る国の乞食になることで自らの「保身」をはかっているからである。
 

さあ、日本人なら投票日にはご自分に投票しよう。




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