第542号(2009年08月31日号)

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民主圧勝という「政治バブル」

自民党の小泉純一郎(略称、以下小泉と称す)は2005年9月11日の衆院選で296議席を得て圧勝、衆院480議席中与党は327議席と3分の2以上の議席を獲得した。自民党は従来弱かった都市部で圧勝、東京、南関東、近畿、四国ブロックで重複候補が多く当選、比例名簿の下位者13名が当選したばかりか、東京ブロックでは比例代表者不足となり、1議席社民党に配分される有様だった。今回の民主も同じ結果となった。

2005年の自民党圧勝と今回の民主党圧勝には共通と相違点がある。
小泉は小泉チルドレンといわれる無名、未経験新人を小選挙区に配分したが、今回の民主党も同じだった。
2005年の選挙は「郵政民営化に賛成か反対か」を国民に問う選挙であり、郵政民営化という具体的政治政策が争点となったが、今回の選挙は「政権交代か否か」であって具体的政策論争は皆無であったと言っていい。アメリカや中国が不況を脱して成長に向かおうとしているのに日本だけは失業率は戦後最高、消費・経済成長は最低である。国際政治を見ても日本の存在感はまるで皆無だ。こうした中で国民が政権政党に愛想をつかすのは当然のこと。
「政権を交代しなければどうにもならない」と言われれば、「その通り」と誰でも思う。
民主党候補が「日本を変えます」と言っても「日本をこうします」、国民の為の経済と言っても「経済はこうします」の議論はなく、「あなたの声を国会に直結します」、「新しい日本を作ります」と叫びながら、小泉チルドレンならぬ元気のいい新人が続々と当選した。「無駄をなくします」がかなり国民の人気を博したようだ。確かに行政に無駄はあるだろう。
だが無駄の削減で何時までも予算をセーブできるものではない。理論的には一度無駄をなくせばその後はもう無駄はなくなるのだから無駄をもって健全財政化の常套手段にするのは邪道であり間違いである。
政権が変わったからと言って新しい日本が産まれるわけではない。また高速道路料金をゼロにしたら好況になるわけでもない。2兆円の減税をすればどこかで2兆円増税しなくてはならなくなるだけである。

政治バブル崩壊

小泉チルドレンで代表される2005年選挙の自民バブル(296名当選)は今回見事に崩壊した。代わって今度は民主バブル(308名当選)が起こった。
数と勢いだけの政治は長続きしない。当選バブルという政治仮需要はいち早く政治実需で埋めないと早番崩壊する。
では政治実需とは何か。せっかく戦後初めて衆議院で3分の2を制し、参院でも与党過半数となっているのだから、今や民主党は「何でもできる党」になったのである。数に胡坐をかいているのではなく、本当に新しい日本を作るため、今までタブー視されてきた諸問題に真摯に取り組むべきだ。それこそ政治実需である。そして政治実需の第一は「現行憲法」である。
もし民主党が日本の根幹に関る問題の方向を国民に訴えながら、新しい日本のあるべき姿を求めるならバブル(仮需要)が実需と入れ替わり、民主党は本当に日本が変わるまで長期政権となるだろう。
「政権交代」で与党になっても、見せ掛けだけでは国民の落胆を誘うだけである。もし今後国民が民主党に失望したら、今度こそ日本から政治がなくなると思ってもらいたい。


*私の「10月株価高騰説」の総括編として「アメリカの真実!」という題で小冊子を書き下ろしたのでご参考ください。

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