第550号(2009年10月16日号)

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美しく強い日本人

世界中で日本ほど恵まれた国はないと思う。美しい山河、四季折々の美しい花々。
そして良質な水に恵まれている。
日本は競争原理に馴染まないと云われる。他国から求め続けられても日本は主張しない。資金を他国から一切借りることなく貸し続け、やがて債務を免除する。
神は奪うことなく与え続けるのであれば日本はまるで神の国のようだ。
では日本を神のような国にしたのは歴代の日本政府なのだろうか。
日本政府のふところ具合は先進国中最悪である。借金王国といわれるアメリカ政府の債務がGDP比50%そこそこなのに日本は170%である。ところが債務の依存率を見ると、アメリカの債務の50%以上が他国に依存しているのに比して日本の債務はほぼ100%日本の国民に依存している。アメリカの対外債務額が世界最大であるのに比べて日本は世界最大の債権国である。では日本政府のふところ具合が最悪なのに何故日本は世界中に金を貸し、そして他国から借金をしないでいられるのだろうか。それはわが国の政府が他国からではなく自らの国民から借金をし続けているからである。日本を神の国のようにしているのは実は日本の国民だったのである。
ではこの事実を知って我々日本人は何をすべきだろうか。
先ず出来るだけ多くの人々に日本が神の国のようである事実を広めることである。
そして日本を神の国のようにしているのは他ならぬ日本人自身であることを広く認識することである。そして外国に行ったら、その国の人々がそれなりに生活している一部は我々日本人が支えているのだと思い、彼らのよりよき生活を願うことだ。
長年海外生活をしてきた私には真の日本人の誇りとは、こうした事実を知り、他国の人々の幸せを願う中から生まれてくるのだと確信している。

昔台湾、今チベット

中国の一党独裁政治には功罪がある。広大な国土に群がる文化差、経済差、権力差、教育差、身分差、等々中国は正に格差国家である。こうした価値観とアイデンティティを異にする13億人の大衆国家の秩序維持には独裁政治は有効である。中国が自由と選択を基本とする議会制民主主義を採用すれば「船頭多くして船山に登る」で、船頭同士(かつての軍閥)の争いが絶えず国家秩序は維持出来ず外国の干渉を受けて国家は崩壊する。それは中国の近代史が証明している。独裁政治下では必ず自由を求める民衆による無数の反政府運動が起きる。これを避けるのは武力弾圧と対外的政治(軍事)対立である。
かつての台湾は中国にとって格好の対立相手であり一時は軍事衝突の可能性まであった。また中国とことさら対立した小泉純一郎内閣もまた中国国家秩序維持のためのよき協力者だった。台湾と中国の経済依存関係が深まった今、もはや台湾を中国の愛国心高揚の道具に使うことが出来なくなった。また日本のアメリカ一辺倒を批判し、吉田茂内閣後の鳩山一郎内閣のように鳩山由紀夫も中国接近型だから、日本もまた対立軸に置くことが出来なくなった。そして今中国は最大の対立国をインドに求めている。
チベットで暴動が頻発しているが、背後にあるのは中国とインドの対立軸であることを知らねばならない。インドはアメリカの協力で核大国を目指しているが、核廃絶を提唱するアメリカが何故インドに核開発支援をするのか。それはアメリカが「豚は太らせて食え」の資本主義の究極に向かっているからである。インドの核の肥大化は中国の独裁政治崩壊を救うばかりか、経済成長持続に貢献するのである。ここにアメリカにとって政治は手段であって、真の国益を何処においているのかがわかる。国家の政治、経済戦略は表通りではなく裏道を密かに歩んでこそ成功するのである。

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