第579号(2010年03月08日号)

増田俊男事務所 http://chokugen.com
携帯サイト http://mobile.chokugen.com/

After the Stimulus (景気刺激策後)

80兆円相当の景気刺激策は昨年2月の議会承認後発動されたことで3月に底を打ったNY株価はウナギ登りとなり2010年に入っても下がらずついに新年になってからも3月来70%の高値を付けるに至った。ゼロ金利と量的金融緩和による潤沢な資金がFRBと市場の間を空回りした結果の金融バブルであった。私は株価について新年に入ってから2−3割の下げを予想し、NYダウ1万ドル割れ、ニッケイ1万円割れありと述べた。確かに予想通りの下げとなったが、投資家が知りたいのはこの調整は続くのか、それとも調整は終わり、今後は上げに転じるのかであろう。それにはアメリカの景気対策終了後のアメリカ経済を分析しなくてはならない。
アメリカ経済が直面している最大の問題は言うまでもなく雇用である。失業率は昨年の10.1%から改善されたと言っても未だに9.7%の高水準を保っている。次は住宅問題である。1月の住宅販売契約件数は12月から7.6%も落ち込んだ。昨年4月来の落ち込みである。
その上個人所得が落ちてきた。所得が下がり、住宅価格が下がると世帯の可処分所得と持ち家の含み資産が減少し個人のクレジット(信用枠)が下がる。したがってGDP70%の消費が伸びなくなって成長が止まる。オバマ大統領は景気刺激予算を本年10月まで延長したが政赤字が膨らみ歳入が減り、増税に踏みきれない現状ではもはや来年に向けての過剰財政出動は不可能である。
こうなってくるとアメリカの内政では今後のアメリカ経済は救えないという結論になる。
そこで私が常日頃主張している対中国関税強化と人民元切上げ 圧力強化が重要になってくる。
Stimulusが終わった後、対中強硬策とドル安による国内産業の競争力強化以外に今後のアメリカ経済の突破口はない。

市場のことは市場に聞け

本来市場は経済情報で一喜一憂するものである。先々週の様にネガテイブとポジティブのニュースが交差すると株価は乱高下する。問題は乱高下しながら平均株価は上がっているのか下がっているのかである。2月のファンダメンタルは総じて悪く、3月は予想通りポジティブだろうから、今後出てくる情報では下げ要因が多くなり平均的には下げると思われる。3月後半になると一転して2月比でファンダメンタルが好転するので上昇気流に乗るだろう。
しかし3月後半から上げた後は、10月までに外交がらみの対中戦略が効を奏するかどうかの不安があるので、それを見極めるまではボックスないしは下げることになるだろう。
対中敵対政策は中間選挙のためには得策だが、はたして目に見える好現象が経済に出るかどうかが先行きの決め手になる。
市場が3月後半から4月の初旬まで上げた後は「お休み」が正解かもしれない。
トロントにて、(少し寒さが和らいできました)


大好評発売中!増田俊男の小冊子Vol.9
『すべては3月からのアメリカ経済にかかっている!』
「オバマ大統領のウルトラC戦略」でアメリカ経済は再生する!
なぜ?その答えは本書にあり!
お申込みは椛搏c俊男事務所 TEL:03-3955-2121 又はこちらまで




*増田俊男のプライベート・コンサルティング【面談・電話・FAX・e-mail】のご案内。

 お問い合わせは、増田俊男事務所 秘書 宮岡(03‐3955-6686)まで



「時事直言」の文章および文中記事の引用ご希望の方は、事前に増田俊男事務所(TEL 03‐3955-6686)までお知らせ下さい。


前へ 平成22年度 次号へ
株式会社増田俊男事務所
FAX:03-3955-2122
e-mail : info@chokugen.com