NO.5(97年5月2週号)
非核三原則
(核を造らない、使わない、持ち込まない)の大嘘!
佐藤栄作元首相の日記(1952-75)が朝日新聞から刊行される事になった。
この日記と故若泉敬氏(1996年他界)の宣誓証言に基づく「他策ナカリシヲ信ゼムト欲ス」(文芸春秋社)により、「沖縄に核が現存し、核部隊が駐屯し、新たな核の持ち込みが保障されている」事が証明されたのである。
1969年11月21日の日米首脳会談で2年後(1972)の沖縄返還が日米両国首脳により声明されたホワイトハウスでのセレモニ−の後、ニクソン大統領のすすめで大統領と佐藤総理の二人が宝石鑑賞という名目で大統領執務室の隣の小部屋に入り、二人だけになった。
そこで若泉氏(佐藤総理の黒子として隠密裏に極秘合意書の作成に当たった)とキッシンジャ−が最終的にまとめあげた沖縄の核に関する極秘合意書が双方によりサインされたのである。
その時二人がサインしたトップシ−クレット(極秘合意書)の全文を下記に示し、英文が表す真の意味を解説する。(本合意書の公式語は英語であるため)
TOP SECRET
AGREED MINUTE TO JOINT COMMUNIQUE OF UNITED STATES PRESIDENT NIXON AND JAPANESE PRIME MINISTER SATO ISSUED ON NOVEMBER 21, 1969
United States President:
As stated in our Joint Communique, it is the intention of the United States
Government to remove all nuclear weapons from Okinawa by the time of actual
reversion of administrative rights to Japan; and thereafter the treaty
of Mutual Corporation and Security and its related arrangements will apply
to Okinawa, as described in the joint Communique.
However, in order to discharge effectively the international obligations
assumed by the United States for the defense of countries in the Far East
including Japan, in time of great emergency the United States Government
will require the re-entry of nuclear weapons and transit rights in Okinawa
with prior consultation with the Government of Japan.
The United States Government would anticipate a favorable response. The
United States Government also require the standby retention and activation
in time of great emergency of existing nuclear storage locations in Okinawa:
Kadena,Naha, Henoko,and Nike Hercules units.
Japanese Prime Minister:
The Government of Japan, appreciating the United States Government's requirements in time of emergency stated above by the President, will meet the these requirements without delay when such prior consultation takes place.
The President and the Prime Minister agreed that this Minute, in duplicate,
be kept each in only in the office of the President and the Prime Minister
and be treated in the strict confidence between only the President of the
United States and the Prime Minister of Japan.
Washington D.C. November 21, 1969
R.N.
E.S.
<直訳>
1969年11月21日発表のニクソン米合衆国大統領と佐藤日本国総理大臣との間の共同声明に付いての合意議事録
米合衆国大統領
われわれの共同声明で述べてあるごとく、沖縄の施政権が実際に日本国に返還される時までに、沖縄から総ての核兵器を撤去することが米国の意図である。そして、それ以後においては、この共同声明に述べてある如く、日米間の相互協力及び安全保障条約、並びにこれに関連する諸取り決めが、沖縄に適用されることになる。しかしながら、日本を含む極東諸国の防衛のため米国が負っている国際的義務を効果的に遂行するために、重大な緊急事態が生じた際には、米政府は、日本国政府と事前協議を行ったうえで、核兵器を沖縄に再持ち込みすること、また、沖縄を通過することの権利が認められることが肝要となるであろう。かかる事前協議においては、米国政府は日本政府の好意的(NOと言わない)回答を期待する。さらに、米国政府は、沖縄に現存する核兵器の貯蔵地である、カデナ、ナハ、ヘンノコとナイキ・ハ−キュリ−核部隊を、重大な緊急事態が生じた時に何時でも使用出来、活用出来る状態に維持する必要が求められる。
日本国総理大臣
日本政府は、大統領が述べた前記の重大な緊急事態が生じた際における米国政府の必要事項を歓迎し、かかる事前協議が行われた場合には、(いかなることが有ろうとも)遅滞なくそれらの要求に応じるものとする。大統領と総理大臣は、本合意議事録を2通作成し、1通ずつ大統領官邸と総理官邸にのみ保管し、米合衆国大統領と日本国総理大臣との間で最高の警戒のもとに極秘裏に取り扱うべきものとすることで合意した。
1969年11月21日ワシントンDCにて
R.N.
E.S.
<解説>
上記極秘合意書の重要部分は2点。
- The United States
Government would anticipate a favorable response.の文の中でwouldを使ったことは、文法的には仮想法といい、「どうしても駄目なら仕方がないが--期待する」と、控えめで、遠慮をした表現であるのに対して、佐藤総理は、will
meet the requirements without delayとwillを使っている。これは規定の事実や強い意思を表す表現で、「どんな事があっても決して遅れることなく絶対に要求に応じます」と、強い意思と決意を表している。
- (返還時に)沖縄の3地区に現存する核兵器と核部隊は現状のまま(撤去することなく)維持し不測の事態には何時でも活動出来るようにしておくこと。
前文の、米国は沖縄返還までに総ての核兵器を撤去する意図がある、とした文中のintentionの意味は、「その気が無いではない」ぐらいの意味で、条約上は「全く責任を負わない場合」に使う用語である。一方佐藤総理のwill meet the the requirementsは確約であり、「責任を負う」、義務を表す表現である。
常日頃私が「沖縄には核と核部隊が現存している」と言い続けている事の証明。佐藤元総理以来我が国の歴代政府が世界に誇る「非核三原則」はお笑い種なのである。
今後マッカ−サ−が作った「日本国憲法」や「日米安全保障条約」で日本のアイデンテe|を否定し、安全どころか常に日本を危機にさらすことにより日本の支配を狙う米国の「本音」の証拠がどんどん出て来るだろう。まるで日本人が日本を忘れる時を待っていたかのように。
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