円高物語
白旗日本
8月11日に円は15年ぶりの高値84.72円を付けてから若干下げて今85.50円です。
日本の国の借金は国内総生産(GDP)比200%で改善の兆しは全くなく、一方デフレからの脱却の見通しもまったく立っていません。
こんな国の通貨が何故上がるのだろうか。
実は、世界の金融危機が何とか収拾したものの、アメリカ、ヨーロ一パ、日本ともども内需が振るわず景気の回復が遠のいています。
そこでオバマ政権とEU(ヨーロッパ連合)は、「内需がだめなら外需」でということで一斉に自国の通貨安政策に打ってでたのです。
自国の通貨を下げて国際競争力を付けて輸出を伸ばそうというわけです。
だからオバマ大統領が「輸出倍増計画」を発表するや一挙にドル安、円高が進行したのです。
欧州の戦略は更なる財政問題国を出しユーロを下げ、消去法で円を上げる戦略なのです。
つまり日本はアメリカとヨーロッパから円高攻勢を受けているのです。
この外からの攻勢に無策、無為で白旗を上げているのが今の日本です。
負けて勝つ道
このままでは益々円高は進みやがて10月には1ドル70円台になるでしょう。
超円高のメリットもなくはありません。
もし輸出企業が円高が長期化すると思えば生産調整をするでしょう。
日本の輸出産業は加工貿易で、原材料と半製品を輸入して国内でアセンブルするのが基本です。
従って円高による原材料等の輸入コスト減で輸出量が落ちても利益率は上がります。
また円高で輸入商品の国内価格が下がるので消費価格全体が下がり消費が伸びます。
国内の企業の生産調整で海外設備投資が伸びます。
また円高を利用したM&Aのチャンスも大きくなります。
円高のデメリットばかりを心配しないで大きなメリットもあることも忘れてはいけないと思います。
と言うわけで、輸出産業の来年3月は予想以上の好決算になるでしょう。
何度も述べましたが、1995年4月19日史上最高の円高79.75円つけましたが、その超円高の結果が出た翌年1996年3月の日本の輸出産業の決算は、前年の赤字から黒字転換をはじめ未曾有の好決算でした。
日本政府は海外攻勢に白旗ですが日本の基幹産業である輸出産業には勝利の3月決算が待っているのです。
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