第603号(2010年08月31日号)

増田俊男事務所 http://chokugen.com
携帯サイト http://mobile.chokugen.com/

オバマ景気刺激策失敗!

先週火曜日のNAR(全米不動産協会)の発表によると7月の既存住宅販売数は6月に比べて27%減少、前年比25.5%落ち込んだ。また商務省によると7月の新築住宅販売数は6月に比べ12.4%下落、前年比32.4%落ち込んだ。(8月30日付け「ここ一番!」参照)
既存住宅は1999年、新築住宅は1963年の販売数統計開始以来最悪となっている。
この住宅販売数の急落はオバマ政権が景気刺激策の一環として打ち出した新規住宅購入者への税優遇策が期限切れになったからである。

同じ現象は自動車の売上台数にも言える。
燃費の悪い車を燃費のいい車と交換する優遇策(Cash for Clunkers Program)の期限切れ後の2009年9月、GMの売り上げは前月比36%、Fordは37%、Chryslerは33%下がり、以後売上は一向に伸びない。
オバマ政権が採った金融、財政両面からの景気刺激策の結果は、結局顕在需要を刺激したにとどまり新規需要の創造、潜在需要の顕在化には至らなかったのである。
つまり中古車を売って新車を買おうと決めていた消費者に行動のきっかけを与えはしたが、車を買おうかどうしようかと迷っていた消費者に買う決断をさせるに至らなかったのである。これは住宅についても同様であった。
財政赤字を増やして投下された80兆円を超えるオバマ大統領の景気刺激策は完全に失敗に終わったと言っていいだろう。

しかし私はオバマ大統領を批判しない。
顕在需要を喚起して潜在需要の顕在化に誘導しようと「笛を吹いたが消費者は踊らなかった」だけのことである。
しかし「政治は挑戦」である。
どこかの国のように「見守るだけで何もしない国」に比べれば「挑戦する国は政治を行っている国」ということが出来る。

オバマ大統領第二の挑戦

オバマ大統領は景気刺激策と言う名の市場介入が結局効を奏さなかったことが分かったので早速次なる挑戦を打ち出した。
それが先の「小冊子」(Vol.15)で特集した「オバマ大統領輸出倍増計画」のためのドル安、円高政策である。
「内需が駄目なら外需で行こう」と言うわけである。
もし輸出振興策の結果が内需拡大に帰着しなければ挑戦は再び失敗に終わる。
しかしオバマ大統領は果敢に挑戦を続ける。
ドル安で輸入商品価格は上昇するから国産商品の競争力は高まる。
また輸出増と史上最低の金利が設備投資を喚起するから雇用も増大する、、、と読んでのことだが、どうなるだろうか。
私はオバマ大統領同様に今度は成功すると楽観視している。

ところで日本はオバマ大統領の円高政策の犠牲者のように見えるがそうではない!
円高を予測して輸出企業はすでに生産調整を終えているから円高による輸出量の減退は織り込み済みである。だから輸出量は適正量の範囲内にとどまる。
一方、円高による原材料、半製品の大幅な輸入コスト減は収益向上に貢献する。
従って本誌で何度も繰り返しているように円高の結果が出る日本の輸出産業の来年3月決算は目を見張るほどの好決算になる!

オバマ大統領の挑戦で市場はどう変化するか?
投資作戦は「ここ一番!」をご活用ください。


増田俊男の「ここ一番!」大好評配信中!購読者拡大中!
「ここ一番!」はここ一番のタイミングにアドバイスをお送りする
増田俊男のニュース・レター。
「投資家の友」として親しまれています。
「危ないところを救ってくれてありがとう」、
「儲かってます!」などなど好評です。
読者の特権としてご質問に増田が即答します。
お問合せは、椛搏c俊男事務所 TEL:03-3955-6686(担当:宮岡)まで
お申込みは、こちら




*増田俊男のプライベート・コンサルティング【面談・電話・FAX・e-mail】のご案内。

 お問い合わせは、増田俊男事務所 秘書 宮岡(03‐3955-6686)まで



「時事直言」の文章および文中記事の引用ご希望の方は、事前に増田俊男事務所(TEL 03‐3955-6686)までお知らせ下さい。


前へ 平成22年度 次号へ
株式会社増田俊男事務所
FAX:03-3955-2122
e-mail : info@chokugen.com