第631号(2011年2月15日号)

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エジプト問題の真相と今後

今後エジプト問題は直ぐにはサウジ、ヨルダン等親米産油国に飛び火することはない。
今回のエジプトの反政府デモを画策したCIA(アメリカ)の真の狙いは二つある。一つは汚職の根源ムバラク大統領を追い出しアメリカに忠実な軍部に政権改革を委ね、対エジプト軍事支援金(年間約$1.3billion)が正しくアメリカの国益のために使われるようにすることである。
第二はイランに反政府デモを飛び火させることである。
イラン政府はデモに対して非人道的弾圧を加えるから、世界の対イラン世論が高まる。核問題に加えて言論弾圧等イランの非民主的行動を世界に見せつけて一層対イラン制裁を強化する狙いがある。
アメリカは、エジプトに対しては政府と国民との距離を接近させながら、今まで通りイスラエルを承認したままで、ムバラク専制国家から集団指導的親米国家にし、一方ではサウド家が支配するサウジアラビアや他の産油国の王族に対して何時でもムバラクの運命に追い込むぞと脅しを掛けることを狙っている。
(やがて中東原油価格をアメリカがコントロールする策略の詳細は今回の「小冊子」をお読みください)
今後CIAはイランの民主運動分子を支援してデモを拡大することになっている。
エジプトとイランの反政府活動についてオバマ大統領は1月18日の中国胡錦濤国家主席とオバマ大統領の会談が開かれる数日前に、イラン、エジプトを含む中東諸国の民主活動家の代表者をホワイト・ハウスに招いて、彼らの運動を支援することを約束している。
オバマ大統領と中東民主活動家の会談の意味するところは今後中東で展開される反政府運動の相互確認である。

今後数年のうちにイスラエルの軍事的野望を国際的に正当化する動きが起こるが、これも「小冊子」に詳しく書いてある。

アメリカは政治的にも経済的にもすべて計画通りに事を進めているので、先の本誌で述べたように株価とドルが上がるのは自明のことである。
20世紀中は資本主義の原理、「カネがモノを言う」時代であったが、21世紀は情報時代。
ちょうど1971年8月15日のニクソン・ショックでアメリカは突如金とドルの交換制を廃止して「モノ造り大国」から「消費大国」に変貌したように、今やアメリカは世界戦略を「カネからインテリジェンス(知恵)」に切り替えようとしている。
皮肉にも「知らぬが仏」を貫く日本は世界一幸せな国として世界の羨望の的になっている。


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