中東情勢の背後に何があるのか
チュニジアに始まってエジプト、リビア、バーレーン、オマーン、イエメン等々中東産油国に飛び火している反政府運動は「ネット革命」とも言われ、全く今まででは考えられなかった結果を産んでいる。一見突発的事件で建設的思想を欠いた破壊活動と見なされがちであるが実は長年の世界戦略の一環である。
私は毎年ある国際会議に招待されている。2007年6月プラハで開かれた国際会議でブッシュ米大統領が演説した際、私の席が最前列であったことを本誌に書いたのを読者は記憶されているだろうか。
中国、イラン、エジプト、サウジアラビア、イラク、リビア等々今反政府運動が起きている国々の(反政府)民主運動組織の指導者が一堂に会していた。ブッシュ大統領は翌日ドイツで開かれるG7に出席する忙しい日程にもかかわらず、民主革命指導者との秘密会合で彼らにある保障を与えた。
当時日本(安倍内閣)はアメリカが政治戦略的に民主化運動を支援するのに対し経済面での支援を打ち出していた。卓越した外交戦略家として私が尊敬していた谷内外務次官の構想(自由と平和のアーク)である。私は氏から麻生外務大臣名の戦略構想をいただきこの会議で説明をしたことがある。この会議は毎年ヨーロッパとイスラエルの特定の場所で開かれている。
オバマ大統領が先般中国の胡錦濤国家主席と会談する前に5人の中東民主運動組織の代表と会って彼らにある保障を与えたことは本誌で述べた通り。チュニジアで暴動が起きたのはその直後であった。
私は「ここ一番!」の読者の皆様に、1月後半から、中東の政治不安定化による原油価格の高騰は一過性であるから、原油価格が上がって株価が下がったらすかさず買わなくてはならないとのアドバイスを続けてきた。又株価の乱高下が起きることを事前に予測し短期利益の出し方を伝授した。
今後2年の内に中東産油国諸国の政治形態はトルコ、マレーシア、インドネシアのようなイスラム型民主国家に変わる「予定」になっている。
実は今後の中東設計図は古くは1998年8月から出来ているが、実行段階へ急速に進むのは9/11(セプテンバー・イレブン=2001年2月に私が予告)からであり、2003年のアメリカの単独イラク侵攻、議会制民主制度導入の実験を終え、今正に全中東民主化の実行段階に入ったのである。
経済的には世界経済の「米」(原動力)である原油価格のコントロールであり、政治的には新中東政治経済圏の確立である。中東の政経ブロック化はアメリカとイスラエルの国益に資するが、もっと世界的に大きな意味のある流れが起きようとしている、いや、「起こそうとしている」!
経済は「ここ一番!」、世界を知るには「小冊子」をご参考に。
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