キーワード(Key word)は原油価格
原油価格は先週日本の大災害による日本の輸入減を読んで急落したが、福島原発不安が解消に向かってきたことと、逆に今後の復興需要、さらにはリビア情勢の内戦化、イエメンの政情悪化から1バーレル105ドルまで急騰してきた。
アメリカ経済は現在非常にインフレに弱い体質になっている。
所得がインフレに対応していればインフレを恐れることはないが、今のアメリカの所得の伸びはほとんどなく、マネー・マーケットの利率(0.21%)もゼロに等しい。さらに年金、福祉からの収入も減っているからアメリカの所得はフラットまたはマイナス状態にある。こうした状況下ではほんの僅かなインフレ上昇も国民に大きな影響を与える。ガソリン代は$3.80の最高値になっているが値上がり分は他の商品の買い控えとなるから消費を減退させる。
The Fed(連邦準備理事会)の幹部は原油価格の高騰は一時的と考えインフレを加速しないと見ている。しかし、エネルギーコスト高、原材料高、輸送費高等々のコスト高から、Whirlpoolなどの家電メーカー、Kellogg’sなど食品メーカー、その他衣料品、靴等々の産業はコスト転化のための値上げを続行している。
現在アメリカのインフレ率は2%以下(1.7%)に保たれているが今後原油価格105ドル以上が続くと現在の商品価格値上げラッシュと相まってインフレが加速するリスクが高い。
The Fedは、アメリカ経済は順調に回復しており、昨年11月から実施している金融緩和(6,000億ドルの債権買取り)は6月末で終わり、以後一切景気支援策は不要と判断している。
私も常々「アメリカ経済は7月から本格的に好況へ向かう」と述べてきたが、今「インフレ」という大きなリスクが立ちはだかってきた。
アメリカ経済も、原油需要が前月比10%も増加している中国経済も、いよいよ原油価格次第になってきた。
投資手法は原油価格次第となりそうだ。
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