世界史は2011年を「変化元年」と記録しているだろう
世界的著名かつ大富豪投資家ウォーレン・バフェット氏が3月25日ニューデリー(インド)での講演で「ドル価は下落し、やがて購買力は極度に低下する」とドル安を予測した。
私は日本で阪神・淡路大震災が起きた1995年1月17日の後、同年2月L.A.で参加したジョージ・ソロス氏の講演を思い出す。
氏はドル高騰を強く予測した。
私は金融の神様と言われたジョーン・テンプルトン氏に直接意見を聞きたいと思い連絡したが氏の声を聞くことが出来なかった。
氏の第一の弟子であったアトランタのM氏と話すことが出来たのでジョージ・ソロス氏の発言について意見を聞くと、「ジョージはまだカネが要るのだろう」と言い、オフショアでドルを売っていることを教えてくれた。
そこで私は周囲の動きに反して迷わずドル売りに転じた。
しばらくドル高が続いたので私はいささか心配になったが、4月19日になると一気にドルは急落、円は史上最高値79.75円まで急上昇した。
「私は2011年からは円安・ドル高がトレンド(基調)となる」と解説してきた。
今日のバフェット氏の市場に与える影響力は、1995年のジョージ・ソロス氏に負けないほど大きいので、ドル高はバフェット氏の(表面上の)影響力の範囲内に止まり、実際は組織的ドル売りが始まると思われるので、中・長期的にはドル安、円高になるだろう。
「トレンドは何時の時代も突発事故をきっかけに変わるものである」。
EU(ヨーロッパ連合)の財政混乱、日本の大災害、ジャスミン革命(エジプト、リビア、その他)など突発事故の続発で2011年の経済トレンドはすべて変わる!
今から50年後の世界史は2011年を「変化元年」と記録しているだろう。
国家が権威と機能を失い、安全のシンボルが地に落ち、価値観が様変わりし、何を信じていいのか分からなくなった時代。
そしてそこから「それまで人類が経験しなかった全く新しい時代が始まった年、それが2011年であった」と。
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