今後の世界を変える最大要因
政治使命の第一は国民の安全と国家存在維持。
従って国民の生命の安全と国防が政治の最大使命。
国民の安全は自然災害や疫病等身体の安全と侵略等軍事的脅威から国家を防衛することである。
身体の安全の次に大事なのは国民の財産を守ることである。
国民の生命にとって欠かせないのは食糧であり、食糧の確保である。
国民経済を支えかつ不可欠なのはエネルギーであり経済の米と言われる原油である。
今日は資本主義、自由市場社会だから国民の財産は通貨で表される。だから国民の財産を守るため自国の通貨を守らなくてはならない。
世界の政治、経済がどう変化するかを決めるのは経済の米の原油、近い将来各国の通貨の基準となる金(ゴールド)と「食糧」である。
金(ゴールド)と経済の米である原油については今発売中の「小冊子」で詳しく述べているので本誌では特に「食糧」について述べることにした。
食糧危機!
今後、世界の政治・経済の最大の問題は「食糧」である。
「食糧危機」は過去に何度かあった。最近では2007‐2008年に世界的穀物価格の高騰が起きたが直ぐに収まった。それは各国の協調によるものではなく2007年末から世界的リセッション(不況)で食糧需要が急減したからである。
過去の食糧危機は常に天候上の理由で起きている。ロシアで起きた干ばつ、アメリカ中部の熱風、異常偏西風のインド等である。
ところが今後起きる食糧危機は全く過去の原因とは異なる。
違いの第一点は、新興国の生活水準の向上で穀物需要が供給能力を上回ってきた点。毎年世界で約8,000万人分の穀物需要が増加している。
第二点は、世界最大の穀物生産国のアメリカ、第二のブラジル、中国その他の穀物生産国の水位が地球温暖化と乱開発のため下がり空井戸と砂漠化が起きているため供給量が急速に落ち込み、ロシアなどでは40%も生産が落ちたため小麦の輸出を禁止している。
アメリカをはじめ穀物生産国共通のことだが、原油価格高騰のためトウモロコシをはじめ他の穀物の約30%がエタノール源として売られ、食糧には回らないため益々穀物価格は原油価格と共に上昇を続けることになった。
アメリカは世界最大の穀物生産国として過去にインドで食糧危機が起きた時(リンドン・ジョンソン大統領の時)インドの10億人の食糧難を救うためアメリカの総生産30%にも及ぶ小麦を緊急供給したことがあったが、現在のアメリカには到底不可能なことである。
国民の生命を守る義務を持つ国家同士が今後食糧確保に向けて熾烈な「戦い」をする時が迫っている。
チュニジア、エジプトの反政府運動は「民主主義」のためと言われるが「後付け」の理由で、本当の理由は「食糧」である。
アメリカ経済が危機状態なのにオバマ大統領も、バーナンキFRB議長も、アメリカ議会も何故平然としているのだろうかと私は皆様に問いかけたが、不自然の裏に必ず真実があるものである。
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