第693号(2011年12月20日号)

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生命の摂理

百獣の王と言われるアフリカのライオンは鹿を食して生きている。
鹿はライオンに襲われても種を絶やさないため出来るだけ多くの子を産む。
鹿は過剰に子を産み続けてライオンに食されながら生存している。
人類の社会も元来「食う者」(支配者)と「食われる者」(被支配者)から成り立っている。人間も動物も社会的動物であり社会が無くては生きて行けない。社会が秩序で成り立つ以上支配者だけの社会も被支配者だけの社会もあり得ない。人類もまた支配者と被支配者の社会で生きているのである。

新興国や途上国は先進国になれない

戦前戦後の同じ機会(チャンス)の継続の中で先進国と後進国が存在し互いに交易と政治の関係を続けて今日に至っている。後進国であった中国を含むBRIC’s諸国(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ共和国)は現在新興国と呼ばれ経済規模は先進国を凌駕するまでに至っている。かつて後進国に対して債権国であった先進国は今や新興国に対して債務国になってきた。召使が主人にカネを貸し主人が返済に困り屋敷を召使に取られ主人が召使部屋に住む時代になろうとしている。しかし忘れてはいけないことは召使が主人の応接間にふんぞり返っていても召使部屋に居る主人は主人に変わりはないことである。


鹿がライオンになれないように人間社会でも主人は主人、召使は召使なのである。要するにBRIC’sは永遠に先進国に成れないということである。
それは先進国にとってすでに終わった成長志向を今なお目指さざるを得ないBRIC’sと、すでに新しい時代の「国盗り合戦」を始めようとしている先進国を見れば自明である。

民主主義の終焉

先進国の政治が経済に追い付けなくなり混乱が起きている。
また先進国の経済が市場に追い付けなくなり経済指針を見失っている。
欧州債務危機の火付け役となったギリシャではパパデモス氏を首班とする非政治家内閣が誕生、また財政破綻寸前のイタリアでも民間人モンティ氏が「政治家が一人もいない」国家救済内閣を組閣した。
主権者国民が選んだ政治家が国家運営の座から降りなくては国家の危機が救えなくなってきた。民主主義が機能しなくなってきた証拠である。パパデモス内閣とモンティ内閣が国家財政救済のための緊縮財政と増税を打ち出すと主権者国民は暴動を起こし首都を麻痺させ国家機能にストップを掛ける。国民主権、言論の自由、集会の自由が国家を崩壊に追いやろうとしている。
個人を政治・経済単位にした民主主義は自由と競争の原理で個人に夢と希望を与え国家を成長路線へと誘導してきた。人類にとって、それが政治であれ経済であれ、または自然科学であれ、成長と発展がすべてのゴールであった。
また人類はいかなる問題に直面しても成長の名の元に解決するかまたは成長を見越して先送りしてきた。日本はすでに20年前から、そして欧米先進国も今経済はもとよりあらゆる分野での成長が止まり、今や累積された先送り問題が先進国を窮地に陥れている。一方、新興国や途上国も成長のゴールを目前にし、やがて先進国が直面している歴史の転換期を迎える。成長無くして存在し得ない資本主義を支えてきた民主主義思想と哲学に代わる新たな時代を支える新たな思想と哲学が求められる。


アマガエルより早く雨を知り、ドジョウより早く洪水を知り、タカより早く台風を知ることの出来た人類の比類なき能力は成長、発展を続けてきた自然科学によって退化し、今や人間は虫より弱くなった。人はまた過剰通貨(バブルマネー)の借金を重ねて適わぬ夢を買いまくり挙句の果て借金苦で自殺に追い込まれようとしている。何ともみじめな世紀の終焉である。

新しい時代の生き方

成長、発展のための哲学、思想、宗教の総てを捨てて、人間復帰(ルネッサンス)を目指す時が来た!
何を信じ、何に従って、何をしたらいいのか?
新しい時代と新しい時代の生き方をお伝えする時が来たと信ずる!
文章で皆様の理性に訴えるのではなく、私の肉声が貴方の「心」に「天の声」を叫びます。


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