第708号(2012年02月15日号)

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「頭金なし、ゼロ金利、7年間支払い無し」!

これはアメリカの大手家具小売店チェーンの大見出し広告。
2002年以降よく見られたのは「頭金なし、即居住可、支払いは2年後」という新築住宅の広告。このおかげで2007年末からサブプライム・ローンの支払い焦げ付きがきっかけとなり2009年6月まで不況になったのは御存じの通り。
住宅融資の焦げ付きで不良債権が投資銀行に集中しリーマン・ブラザーズがスケープ・ゴート(生贄)になって破綻したのも御記憶の通り。
しかし大手ノンバンクのGE CapitalやWells Fargoなど大手銀行はToo big to fall(大きすぎて潰せない)で救済された。
ところがこうした公的資金の救済を受けた大手銀行は今やオバマ政権の教育振興政策に乗って返すあての無い学生向けローンや上記宣伝文句の様な7年たったら使い物にならない家具を担保に低金利融資を拡大している。
サブプライム・ローン(融資)バブルの次は消費者金融バブルである。
「アメリカ経済は回復に向かっている」という錯覚の裏には、こうした事実が隠されていることを知っておく必要がある。
今やアメリカの消費者金融は史上最高の$1.7 trillion(約1,300兆円)に達している。
支払いは「7年先」もあれば「来年から」もあるから消費者の支払いが滞るのは目に見えているのに大手銀行は涼しい顔をしている。
そのわけは、大手銀行は不良債権の発生時を出来るだけ先に(7年先など)設定しておいてその間にどんどんFRBからゼロ金利で借りるという作戦である。
不良債権が顕在化する前にEasy profit(容易く得られる利益)をトップの高額ボーナスで分かち合いながら何処までFRBから借り続けるかが大手銀行の腕の見せどころである。
破綻してもToo big to fall(大きすぎて潰せない)だからまた国民の金で元に戻ることは決まっているので何の心配もない。
上記はほんの一例だが、「驚くべきアメリカの大不況の現実」の詳細を今回の「小冊子」(Vol.33)で解説している。
「寒気がする事実が馬鹿げた錯覚を木っ端みじんにしようとしている」!


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