欧州債務問題を作ったのはドイツとアメリカ!
ユーロ採用17カ国中ドイツを除く16カ国(やがてフランスも債務危機に陥るから)はほとんど債務危機に陥っている。ギリシャは事実上デフォルトでイタリア、ポルトガル、スペインが後に続く。南欧、中欧諸国の債務問題最大の原因は「ハンデ24の増田とハンデ・ゼロのタイガーウッズのノーハンデ試合」である。
何度も本誌で述べたがギリシャとドイツが同じ通貨(ユーロ)を採用して欧州内外市場で競争する体制自体が間違いである。
誰が何の為にユーロ体制を欧州に誘導したのだろうか。
アメリカは何故せっかく戦後築いた欧州ドル市場を何の抵抗もなくEUに明け渡したのだろうか。
1999年ユーロ体制発足時のドイツとアメリカの共通認識は、「ユーロ体制は崩壊する」と言うことである。つまり崩壊することを前提にユーロ体制を構築することが双方の国益に適うからであった。ユーロ体制が維持されている限りユーロ加盟国は必ず財政破綻に追い込まれるから、ドイツのメルケル首相は、「ユーロが失敗したら欧州も失敗し、ユーロが勝利すれば欧州も勝利する」というのである。ドイツは欧州諸国を財政破綻に追い込むことで主権を放棄させ欧州連合をドイツ主導の欧州帝国にすることが狙いである。
一方アメリカ(というよりアメリカとイギリス系独占資本)は欧州の政治統合はドイツに任せ、経済(金融市場)を支配することであった。
ギリシャの主権はすでに無く、今後イタリア、ポルトガル、スペインの主権がEUに返上されるのは時間の問題。
今、独占資本傘下の米系銀行(たとえばウェルズ・ファーゴ)は欧州銀行と銀行保有資産の買い占めに走っている。ドイツの後押しで欧州銀行の自己資本率を9%に上げるようECB(欧州中央銀行)と欧州委員会から圧力をかけると同時にギリシャ国債の75%のヘアカット(保有ギリシャ債元本減免)で欧州銀行を財政悪化に追い込み米銀の欧州銀買収を容易にしている。
昨年欧州首脳会議が第二次ギリシャ救済の枠組みを決める際イギリスだけが参加しなかったのは、イギリスは世界の独占資本の本拠地の一つであり、支配される側ではないからである。
こうした欧州の政治、経済統合と帝国化は独占資本(具体的にはほとんど世界中の銀行を支配しているロスチャイルドやロックフェラーなどがエージェント役を務めていると思えばいい)の目標であるOne World Policy(世界の政治・経済統合化)の一歩前進となる。One World Policyとは世界を一つにして搾取、支配することを目的としている。
前号で私の相手は国家の指導者ではないという意味がお分かりいただけたと思う。
国家は独占資本が世界中の人々が創出する富を吸収し続ける為に好都合な戦争や市場を提供し、管理、運営する為にある。これは13世紀から今日まで(教科書ではなく)真の歴史が証明するところである。
「金がモノを言う」限り「独占資本という王様と国家という奴隷」の関係は変わらない。
3/11の大震災で日本が世界に「お金より大事なモノ」を示したように、日本は国民が王様になる世の中を創る責任を感じるべきなのだが、、、、。
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