(大震災1周年については私のラジオ放送をお聞き下さい)
世界一奪われやすい日本!
アメリカが経済バブル戦略で如何に世界の富を奪い続けているかは3月8日の「増田俊男の実践経済セミナー」で解説した。
テレビ界を引退された竹村健一先生も参加され「本物情報を仕入れたい」、「日本には増田さんしかいない」と言われ熱心にメモを取られていた。
アメリカのバブルを利用した世界資本略奪のカラクリは下記のようなもの。
金魚が入ったキャパ20ポイントの水槽がある。水が蒸発して5に下がり金魚(経済)が弱ってきた。そこでFRBは予算を5と決めて毎日1ずつ水を入れながら世界にも水を入れてくれるよう(金融緩和を)頼む。FRBが水を入れ始め、さらに世界の水が入り始めると水槽の水かさがどんどん上がりやがてキャパの20を超えて溢れだす。そこでFRBは5入るコップで3杯くみ出しFRBの水瓶に蓄える(5の呼び水で10の真水増)。世界は水槽に残った5をくみ出して金魚を殺す訳にもいかず、水槽(含み損を)眺めることになる。
ギリシャ国債の民間保有者の83.5%がギリシャ国債減免(約1,000億ユーロ=10兆円)を認めることになったという情報をGood newsと判断しニッケイは先週金曜日ザラバで昨年の震災直前の1万円台まで上昇した。私はギリシャの国債デフォルト回避は欧州危機の始まりでWorst news(最悪のニュース)と言ってきた。ギリシャの債務削減オファー(約10兆円)に応じなかったヘッジファンドの一部は保有国債と新国債の交換を強制されることになった。しかしその強制交換の部分の国債については国際デリバティブ協会の認定により正式にデフォルトとなりSDS(一種のデフォルト保険)が損害を補てんすることになった。これは正しくギリシャ国債の正式な一部支払不履行(デフォルト)である。
アメリカのNY株価はニッケイと全く異なりギリシャ国債デフォルト回避は事実上はデフォルトだから大きなマイナス要因であったが、予想以上の雇用増(24万人)や大手銀行の大型、長期社債(500億円規模)の入札が数秒で売り切れる状況をバブル再来のサイン(表れ)と見たことから株価にプラスに働き、大マイナス要因(ギリシャ)と大プラス要因が交差して金曜日のNYダウはわずか14ドル程度のプラスで終わった。
アメリカが日本のようにギリシャの国債デフォルト回避をGood newsとするBull(買い方)の誘導に乗っていたら金曜のNYダウは250ドル以上の上昇だっただろう。日本の投資家はやがてアメリカが日本の水槽からコップで3杯の真水のくみ出しにかかることを忘れてはならない。
(次回はイタリアがうらやむギリシャ陰謀の大成功モデル)
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