3月危機に無関心な市場
「ここ一番!」の読者にはFRBバーナンキ議長の腹の内を読んだ上で市場がアメリカの3月危機に無関心な訳を解説し、「今週の高値(11,400‐500円台)での売り」をアドバイスしている。
アメリカ経済が、まるで年中行事になった財政危機を向かえるのは3月1日と3月27日である。民主、共和党で具体的赤字削減策が決まらなければ3月1日から自動的に国防予算が$46 billion(約4億3千万円)、一般予算から$39 billion(約3億6千万円)が10月から年末に強制削減され、GDPを大きく引き下げる。
さらに3月27日で暫定予算が失効になり政府の運営予算が無くなる。
こんなリスクを目前にして市場は平然、NYダウは5年来の高値を更新している。NY市場がこういう常識では考えられない状況になると言うことが何を意味するかも「ここ一番!」で述べた。
他の先進国にはとても真似の出来ないアベノミクスの「三本の矢」を遂行する日本の株が上がるのは当然だが、NY市場は遂に財政危機に免疫になったようだ。しかしこのまま民主、共和両党で何の解決策無しに3月1日になればNYは大きく下げるだろう。一応ニッケイも3月からのNYの下げの影響を受けると考えれば、ここのところの高値で売って3月いっぱいは様子見が正解だと思う。
ロシアは今、、、
実は私はロシアのある大金持ちの大臣を知っていて、先日アメリカのシェールガス革命に関するロシアの経済リスクについて話した。ロシアはあまり公にはしないが、2009年オバマ大統領が訪中の際決まった米中シェールガス・イニシアティブ(米中シェールガス促進合意;「小冊子」(Vol.43参照)には相当神経を使っている。原油価格が80円を割るとロシア経済はマイナス成長になる。
シェールガスで天然ガスの価格が下がる一方天然ガスの最大の輸出先の欧州でシェールガス開発が始まるなどでロシアの国営石油会社ガスプロムの欧州向け天然ガスの輸出が激減。ロシアの天然ガスの輸出量は年々減少の一途である。
実はシェールガスの出現は意外にも欧州でかつての冷戦構造を作りつつある。
つまりシェールガスをめぐって欧州が二極化の方向に向かっているのである。
欧州では米側に付くウクライナ、ポーランド、バルト諸国、イギリス。フランスはアンチ・アメリカでドイツは米露を両テンビンに掛けるだろう。
ロシアの天然ガスの顧客であるウクライナは欧州第四位のシェールガス埋蔵量があり、アメリカの掘削技術を取り入れて開発が始まろうとしている。
ロシアからの依存から脱却しようとするウクライナをロシアは放置しないだろう。アメリカのシェ―ガス革命はアメリカを中東産油国から軍事撤退に追い込み、一方欧州は冷戦に追い込まれようとしている。
ロシアの大臣は、今こそロシアは日本と平和条約を締結、日本の技術で天然ガス開発をしてシェールガスに対抗したいと考えている。アメリカの戦略である日中戦争のことも知っていて、平和条約と共に日露不可侵条約も必要と考えている。今後シェールガスは単なる新エネルギーで終わりそうもない。
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