ドル・円100円!
ドル・円相場は何度も円が100円の壁に接近したがどうしてもタッチ出来なかったが、遂に5月9日のNY市場で100.70円台を付け、本日の東京市場では一時101円を下回った。5月3日に発表された雇用統計(165,000人)と失業率(7.5%)が予想以上に良かったことと、さらに週間新規失業保険申請数が5年4カ月ぶりの低水準になったことでアメリカ経済は強いと囃したため。
オバマ大統領の経済基本政策の一つは輸出倍増計画。100円はアメリカが認める限界点であり、101円以下になると米自動車業界からの圧力で政治問題化する可能性もあり、円安の深追いは禁物。円高も株高も「テクニカル」な部分が大きいので長続きしない。NY株価もニッケイも過熱相場になってきたことは急落が近いことでもある。アメリカの商務省が発表した3月の工場注文数は大幅(4%)に下落、耐久消費材も5.8%も下落していて、アメリカの実体経済は必ずしも好調とは言えず、今の株価は明らかに過熱状態である。ニッケイはNYの過熱に振り回されて、同じく過熱を続けている。私は何度もアメリカでは「5月は売り逃げの時期」、日本は「5月は様子見の時期」とアドバイスをしてきたが、益々そう思っている。ラスベガスでもそうだが、「勝っている時に止められる人が勝てる人」。
今回の小冊子(Vol.46)の注目点
第1章 リスク市場を安全市場に変えたバーナンキFRB議長
「国債市場は安全市場である」は今まで市場の常識であった。
ところが株式が国債より安全だと言うことで国債市場から株式市場へ資金が流れ株式市場が過熱状態になっている。そこには、アメリカの累積財政赤字規模から国債デフォウルト危機が語られ国債は安全資産ではないという考えがある。
FRBが金融緩和の目標にしている失業率6.5%は数年先どころか達成出来るかどうかさえ分からないので金融緩和は無期限と考え、株式市場に緩和資金が流入し続けることになる。だから株式市場は安全市場だという考え。
、、、等々の表向きの見解や、裏では世界の資金を一気に奪おうとするFRBの魂胆等を解説しています。ドルは世界基軸通貨であって米国債がリスク資産などと言うのはミスリーディング(不正な誘導)もはなはだしい。
第2章 黒田二次元金融緩和の宿命
経済成長時代の金融緩和は実体経済に刺激を与えて成長を促すことを目的にし、経済が成長に向かうところが出口(緩和を止めること)で期間限定。
今日のような成長が止まった成熟経済下で企業も金融機関もカネ余りで市場に資金需要がない環境下では金融緩和資金は実体経済に回らずすべて金融市場に向かう。その結果は実体経済の成長がほぼゼロなのに株価は150%(2007年以来のNY株価上昇率)という異常現象が起きる。
黒田異次元金融緩和はマネタリーベース(市場に流通している通貨量=市場の資金需要)を2年で倍にするというもの(2012年末の138兆円を270兆円にする)。これは経済規模(GDP)で見るとアメリカの約3倍の量になる、、、。
「2年で2倍」の理由について黒田総裁は経済(金融)理論では絶対に説明できないが、私が代わって「なるほど」という面白く、かつ今後の為替相場を読む上で役に立つ理由説明をしている。
、、まだまた10章まで「目からウロコ」のお話が山積み。
ご期待下さい。
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