100%金融緩和(FRB)頼りの株価
NYもニッケイ平均も実はFRBの金融緩和政策の動向に頼っている。
ニッケイは黒田新日銀が打ち出した「異次元金融緩和」(4月4日)発表以来13,000円台から5月に入って一気に16,000円近辺まで上げるや、5月23日に1,000円以上下げ、その後若干反発の気配を見せたが、結局昨日(5月30日)737円(5.17%安)の中暴落で13,589円まで下げた。
「ここ一番!」(5月23日暴落日)の読者と「増田俊男の目からウロコのインターネット・セミナー」で「元の木阿弥」、「御破算で願いましては」等と言ったように「アベノミクス」と「黒田異次元金融緩和」への期待相場は僅か一ヶ月で正に「元の木阿弥」になった。
4月30日の「ここ一番!」で「ドルは国際通貨だからFRBはアメリカ経済だけを見て金融政策を決定しているのではない」と述べOECD(経済協力開発機構)の見通しで、本年アメリカ経済は1.9%、日本経済は1.6%と順調だが、欧州はリセッションから脱却出来ずゼロ又はマイナス成長、中国も昨年の8.5%から7.8%に低迷だからFRBはたとえアメリカ経済が順調に回復していても「決して金融緩和の手を緩めることはない」と述べた。
線香花火のように短期間に燃え盛り、「あっという間に燃え尽きる」日銀の異次元金融緩和効果と「5年6カ月燃え続けている」FRB緩和効果。
ここにドルと円の「宿命的、かつ本質的差」がある。
経済規模から見てアメリカの三分の一の日本がアメリカとほぼ同じの月額7.5兆円の緩和を今後2年に渡って実施することを私は「異次元」では無く「異常」だと言ったが、今回の「元の木阿弥」を見れば如何にFRBに比べ「日銀の力」が弱いかがわかる。
それは日本の通貨「円」は日本村通貨(ローカル通貨)であり「ドル」は世界通貨だからである。
「黒田異次元金融緩和は誰の為か」について今回の「小冊子」(Vol.46)で解説しているが、日本村で要りもしない村の通貨を異常に発行すれば村の銀行は「村の通貨を売ってドルやユーロを買わざるを得ない」。
円が安全通貨である為の唯一の拠りどころ、「日本の国債100%日本国民保有」が崩れ、長期金利も上昇してきた。ハゲタカ・ファンドを喜ばした「郵政民営化」の次は「日本の国債市場国際化」、すなわち日本経済の最後の砦をアメリカに明け渡すことである。(「小冊子(Vol.46)」参照)
私は「ここ一番!」(5月29日)で「6月富士山相場」と言って「6月はニッケイが急騰する」と述べた。
FRBに翻弄される日銀を補うため、6月安倍内閣は「秘策」を発動する。
富士山が世界資産に登録されるのを機会に、「経済成長戦略」の具体案を発表、さらに100兆円を超える運用資金を持つGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)にリスク債権(株式、REIT等)を10‐20兆円規模で買わせる。
成長戦略の実施でアベノミクスへの過剰期待を現実にし、日銀の月額7.5兆円にGPIFの兆円単位の買い支えでニッケイを一気に「元の木阿弥」から直下してきた頂点に戻す。
これが「富士山相場」である。
5月30日の「ここ一番!」で『今日が最後の買い時』とアドバイスした所以である。
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