縮小するアメリカ
アメリカが小さくなろうとしている。
「縮小」と言えば本年1月から始まったFRB(連邦準備理事会)の緩和縮小が市場の最大関心事だが、私が言う「縮小」はアメリカの経済構造を含むアメリカそのものの縮小である。その兆候は緩和縮小よりむしろ国防予算の縮小である。
アメリカの経済規模の縮小が目前に迫り市場を含むアメリカの政治・行政機構縮小のための調整が起ころうとしている。
事の発端はクリントン元大統領が代表する6,000万人と言われるベビーブーマー世代が60歳を超えて引退期に入ってきたことである。
ベビーブーマー世代は今までアメリカ経済の中核を成し社会的には中産階級を構成していた。今後6,000万人というどの世代より大規模な経済的中核が一線から引退することはアメリカ経済にとって質量共に大きなマイナスである。
それは又アメリカの経済力低減と同時に6,000万人が医療に限らずあらゆる福祉対象となることを意味し、多大な国家支出増につながる。
ベビーブーマーの引退は合衆国にとってダブルパンチなのである。
今後アメリカに起きることは国家機構と経済規模の縮小のために起きる大混乱である。アメリカをバスケットボールに例えればボールの半径を短くする為ボールの規準を変えなくてはならなくなったのである。
問題はアメリカの通貨ドルが世界の基軸通貨でありNY市場が世界のマネーのフォーカス(中心)になっている事実である。
アメリカ経済の縮小はNY市場の縮小、NY市場の縮小はNYに連動する世界の市場調整を余儀なくする。
私は常日頃から「9月になるとNYの債券市場の混乱から株式市場の大暴落となる」と述べ続けてきたが、来るべき暴落は今までの暴落とは「異質」である。単なるITバブル、不動産バブル、マネーバブルの崩壊ではない。国家体系・制度組織、経済構造という国家そのものの縮小と言う前代未聞の大混乱と市場暴落である。日本を真珠湾攻撃に誘導するために第一次大戦直後から計画を練るほどのアメリカだから、準備万端であることは言うまでもない。
縮小アメリカはエネルギー革命で双子の赤字は双子の黒字に代わり、又世界規模の市場暴落による世界の損でアメリカの負債一掃!第二次大戦直後のようなアメリカの世紀が蘇る!詳しくは「小冊子」(Vol.53)をご参照ください。
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