Defense Meeting (防衛会議)
8月28日ワシントンD.C.のCapitol Hillのある会議室で開かれた防衛会議に招かれた。メディアご法度、撮影禁止の私的会合。参加者名も非公開だが数名との名刺交換は出来た。ウクライナ、イスラエル・パレスチナ国境ガザ、シリア、イラク、分裂リビア等々での抗争の分析、特にアルカイダを中心としたイスラム過激派軍事組織の実態についてCIA、PENTAGON(国防総省)を含む軍事・情報専門家から詳しい解説があった。特に印象的であったのは、サダム・フセインを拘束し死刑に追いやった立役者Mr. Anthony Shaffer元Lt. Colのテロとの戦いの実話であった。氏は今全米、欧州でベストセラーになっているThe Final Line(最後の一線:イラク戦争の裏面)の著者で、今日の中東情勢について度々議会証言をするなど中東情勢の専門家である。今回もBBCでISISについての解説を終えた足で当会議に駆けつけてきた。
サダム・フセイン独裁政権を倒し民主政権を樹立したはずのイラクはISIS(イスラム国家派)の反乱とクルード族北部油田独占で混乱、ムバラク独裁政権を倒し総選挙で選ばれたのはイスラム・ブラザーズ組織のイスラム政権、これを内部工作で倒して生まれたのは非民主主義軍事政権、リビアではガダフィ大佐独裁政権を倒した後は混乱が続き国家は分裂の危機に瀕している。アメリカ主導の「アラブの春」以前はチュニジア、エジプト、イラク、リビアそしてシリアは独裁政権下であったが秩序が保たれ経済は安定、教育、福祉等は行き届いていた。それが「アラブの春」の結果すべて混乱、無秩序、暴力の混乱状態に陥ってしまった。独裁政治を否定して力ずくで強制した民主化はことごとく失敗に終わったのである。
西欧キリスト文明国家は世界を植民地支配して失敗し、今またテロとの戦いによる民主化に失敗した。
そして今欧米キリスト文明国とユダヤ国家は、イスラム世界支配の理念に掲げるイスラム勢力の反撃を受けている。
防衛会議で専門家はイスラム国家・勢力の文化とIDは反キリスト教、反ユダヤであり両者の妥協の余地は全くないことを歴史と現実の実例から証明した。
キリスト文明国家とイスラエル(ユダヤ国家)の存在の為には現在イスラエルに実例があるようにパレスチナ民族の民主化か、民主化転向不可能な部分は抹殺する以外ないと言うのが結論だった。
オバマ政権は欧州社会主義者だからブッシュ前大統領と違ってイランをはじめシリアに対しても宥和政策を続けているがイスラエルは対イスラム強硬策を取りバランスを保つ必要がある。アメリカの対中東消極政策(オバマ大統領は先週対中東の戦略はないと証言した)でイスラム全勢力が立ち上がったところを次期米政権が叩き潰す。これが西欧キリスト文明国家とユダヤ国家の正しい戦略と言うことだった。私が小冊子(Vol.59)で述べたアメリカ(ユダヤ資本)の冷戦戦略と全く一致した考えだったのでほっとしたのであった。
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