ECB(欧州中央銀行)ドラギ総裁の度重なるミステイク
ECBは本年6月異常利下げ政策を発表、即実行に移した。
政策金利を0.25%から0.15%に下げ、同時に大手銀行の中央銀行の当座預金金利をマイナス01%にした。
金利をゼロ・パーセントに誘導すると同時に、民間銀行の中央銀行預金に事実上の罰則導入で強制的に資金の活性化をはかろうとしたのであった。
しかし結果は裏目に出て銀行の貸付は伸びず、伸びたのは企業と家計の預金率だけであった。
昨日9月4日、ドラギECB総裁は再び政策金利を0.15%から0.05%に下げ、同時に銀行の当座預金金利をマイナス0.1%からマイナス0.2%に対預金罰則を倍化した。
同じ過ちの繰り返しである。
FRBがQE3を10月に止め、来年早々に利上げに踏み切ることを決めた理由はリーマン・ショック以来の超金融緩和政策が失敗に終わったこと認めたからである。
欧州でもアメリカでも短期国債利回りはほぼゼロ・パーセントである。
家計や企業が同じゼロならリスクのない現金を増やした方がいいと考えるのは当たり前のこと。
だから欧州でもアメリカでも企業と家計の預金が増え続けている。
民間の現金預金が増えれば経済の資金回転が落ち込むのはこれまた当然である。
マネタリー・ベースの2倍の緩和をする日銀は「愚かさの代表格」だが、いくら市場に資金を流してもゼロ金利政策を堅持する以上資金は踊らない(資金は活性化しない)。
企業と家計が現金預金にシフトしている最中に預金に罰を与え、銀行の貸出しを強制しても信用度の高い企業はカネ余りだから借りない。
借りたがっているのは信用度の低いリスクの高い企業ばかり。
ECBの一連のマイナス金利政策は銀行に不良債権を強制することに他ならない。
中央銀行がこうした自暴自棄の金融政策しか出来ないのは欧州、アメリカ、日本が共に財政破綻状態の為財政出動で実需を喚起することが出来ないから。
「金融政策の前に財政政策あり」と私は言っているが、正しいこと(財政健全化=増税)を実行しようとする政権は国民に嫌われ政権が取れない。だから株価や地価の表示価格を上げて、いかにも景気が良さそうに装う政治しか出来ない。
愚かな政治、権利だけ主張の義務無き主権者、市場と言う名の合法的賭博場、、、
こうした国々の行く先は「地獄」しかなく、「自業自得」である。
小泉純一郎氏ではないが、カリスマ人気で国会で絶対多数を取ってマスコミと国民が嫌う政策を断行すること。それ以外に国を救う道はない!
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