(セプテンバー・イレブン・グランド・ゼロのNYからお送りします)不況に向かう欧州経済
本誌(No.928:9月5日号)「ECB(欧州中央銀行)ドラギ総裁の度重なるミステイクで」ECBの利下げとマイナス金利で銀行預金に罰金を課す政策は益々資金の活性化を阻害し銀行の不良債権化政策に他ならないと述べた。
欧州経済が今後不況に陥り日本同様デフレ経済に陥ろうとしているのは15年来日本経済がデフレ化したのと同じ理由。日本は1998年から「団魂の世代」(戦後の第一次ベビーブーマー、よく働きよく使う世代)が引退し始めた為経済が高成長から低成長に陥り年を追うごとにデフレ化が進行した。
欧州経済のデフレ化の原因を理解せず通貨増刷とマイナス金利でインフレ化出来ると考えるドラギECB総裁の愚かさは日銀の黒田総裁の上を行く。
定年年齢上限化、高齢労働者支援と保証、移民政策緩和等人口構造問題に取り組むことが先である。いずれにしても先進国は民主主義国家が多いから政府は札を刷るような安易な愚作に走り国民が嫌う増税など財政健全化は口にするだけで実行しない。現在欧州先進諸国はすべて財政悪化が続き経済成長はゼロ又はマイナスである。欧州経済をけん引してきたドイツは本年(2014年)から2022年に向けて、かつての日本同様ベビーブーマーの引退が加速する。さらに欧州の経済健全国家スイス、比較的経済成長プラス(3%)の英国、オーストリアがドイツに続く。過去5年間の平均経済成長がマイナス1.45のイタリア、マイナス01%のフランスは今後さらに成長が落ち込むことが明白になっている。
トロイカ(EU、欧州救済資金、IMF)で財政破綻を救済されたギリシャ、アイルランド、ポルトガル、スペインなどは言うに及ばない。
アメリカはこれから暴落と言う犠牲を厭わず金融緩和政策を止め、さらに来年早々の利上げを決定しているのに、欧州は、人口構造問題は言うに及ばず経済構造改革と言う難しい問題をことごとく避け安易なゼロ金利や通貨増発で目先をごまかす政策しか採ろうとしない。
安倍内閣は消費税増税を断行、さらに第三の矢で聖域と言われてきた農業、医療、教育分野の自由化を掲げているが見せかけだけに終われば欧州同様不況は避けられない。
今回の「小冊子Vol.60」は題名を『The Great Crash is Coming(大暴落目前)』とし、ワシントンD.C.での「防衛会議」(於Capitol Hill)、次期大統領を共和党から出すための会議への参加(NY)からの生情報、又CME(シカゴ・マーカンタイル:世界最大先物市場)の有名アナリストと私の激論など掲載。
乞うご期待!
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