世界の裏表
本日やっと「小冊子」(Vol.60)入稿が出来た。
前号(Vol.59)で大英帝国の蔵相を歴任し後に首相を二期務めビクトリア王朝の繁栄を築いたベンジャミン・ディズレーリ(1804‐1881)について述べた。
ディズレーリは生粋のユダヤ人。当時属する国の無いユダヤ人は欧州各地で差別待遇を受け、迫害を受けていた。こともあろうにユダヤ人が大英帝国の首相になれるなど当時の欧州では全く考えられなかったことであった。
ディズレーリ政権の誕生は、当時の英国の政治指導者たちがユダヤ人の金融能力、情報能力、法の活用能力を高く評価し、これを国益に生かすべだと考えていたところへ、両替商を皮切りに金融界で重きをなしていたロスチャイルド家が政治資金支援を惜しまなかったことで実現したのであった。
ディズレーリは期待通りロスチャイルド家の情報と資金提供を受けフランスに先駆けてスエズ運河の利権を手にしたことからアジアの植民地を制覇し、ビクトリア王朝の繁栄を築くことに成功したのであった。
7つの海を制した大英帝国は世界の覇権国家になり通貨ポンドは国際基軸通貨になった。
そしてロスチャイルド家が大英帝国の基軸通貨の波に乗って全欧州の金融を制することになったのは言うまでもないことであった。
さて今回の「小冊子」(Vol.60)の中で私は、「国家と国民からの目」と「国家と国民を支配しようとする目」との両方の目で世界を凝視した。
ここにディズレーリの言葉を紹介する。
「世の中を治めている者は、舞台裏から眺めるのと、観客が見ているのとでは、全く別人物だ」。
今日のISIS、イラク、シリア、アフガンで起きている紛争、ウクライナ内乱、、等々の数々をアメリカ合衆国や欧州陣営の利害と、こうした危機的状態が起き得ないよう世界を完全管理しようとすることに利益を見出そうとする「力」と双方の立場から描いたつもりである。
何事につけ、「コインには裏表がある」が私のモノの見方である。
乞うご期待。
※小冊子Vol.60の発送開始は9月29日(月)を予定します。
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