1051号(2016年2月8日号)

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アメリカの「核の傘」の使い方

今日の軍事的脅威は超大破壊兵器の「核」である。
敗戦国日本では「日米安保は安全の要」と解釈されるが戦勝国アメリカでは「対日軍事占領条約」と解釈される。
極東の安全というアメリカの判断のもとに日本の行政官区内でのアメリカの軍事行動の自由が保障されているからである。
「他国の軍隊に自国内での軍事行動の自由を保障する」ということは、とりもなおさず自国は他国に占領されていることを意味する。
沖縄の米軍の75%の軍事経費を払い続けている6兆円相当の「思いやり予算」は、アメリカに言わせれば敗戦国日本の戦勝国アメリカに払う「罰金」である。
だから2020年から2026年の間に沖縄から全米軍が撤退するのは、戦後75年で日本はやっとアメリカの対日占領と罰金から解放されるということである。
北朝鮮の核実験と今回の長距離ミサイル実験に対してアメリカは常任理事国を主導して安保理で対北朝鮮非難・制裁決議を出すことになったが、アメリカがこうして対北朝鮮国際世論を喚起する目的は、日本を中心に韓国やオーストラリア等アメリカのアジア太平洋軍事同盟国に北朝鮮の核の脅威を煽ることにある。
私の「小冊子」(Vol.75)で解説しているように福田内閣時(1978年)内閣法制局(真田長官)は「、、必要最低限度を超えない戦力であれば、核兵器、通常兵器を問わず、これを所有することは同項(第9条)の禁ずるところではない」と日本の核保有に道を開いている。
隣国の北朝鮮や中国が核武装しているなら核戦力が必要最低限度の戦力になるのは当然であるという解釈である。
中国は表向きアメリカと共に安保で対北朝鮮非難決議に賛成しているが、アメリカの要望に応えて北朝鮮に圧力を加えようとはしない。
アメリカの要望で日本はアジア・太平洋のアメリカの軍事同盟国を統合して日増しに高まる中国の軍事脅威に対して対中軍事同盟化を推進しているが、目前に北朝鮮の脅威が迫ることで対中結束が弱まるから中国にとって好ましいことである。
日本は対北6カ国協議を呼び掛けるが、過去の結果を見ればわかる通り、「6カ国協議は北朝鮮経済支援協議」でしかない。「外交努力(話し合い)は敗北までの時間稼ぎ」、そして「戦争は勝利への最短距離」である。
これは、自然に恵まれ人間同士の奪い合い、殺し合いの必要がなかった日本人以外の民族のDNAに適合する「真理」である。
人類がもう少し豊かになるまで日本は他民族の真理に従うしかないだろう、安倍首相のように。


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