黒田日銀総裁の責任
私は日銀のマイナス金利導入で何故円高になるのかを「ここ一番!」や「増田俊男のインターネットセミナー」で説明してきた。
日銀が銀行等から買う月額約約7兆円の国債代金のほとんどは銀行の日銀当座預金口座に入るが今後これにマイナス金利という名の0.1%の課徴金がかかるから銀行としては放置出来なくなった。
黒田日銀総裁は、眠っている銀行資金を経済に向けるというが、上場企業は250兆円余りの余剰金を抱えているから銀行から借りる必要はないし、第一1%を下回る経済成長下かつ供給過剰の日本経済のどこに設備投資の需要があるのか。
銀行としては当然安全かつ0.1%以上の利回りのある国債(10年物など)に向かわざるを得ない。どの銀行も考えることは同じだから国債買いに殺到、結果ついに10年物国債の利回りがプラス0.38からマイナス0.38なった。
10年物がだめなら30年物と追いかける邦銀、それを先回りして買う外人。
日銀から国債代金が入るまで買えない邦銀、リスクを踏んで先買いする外人。
このシーソーゲームで何が起きるか、、、外人の連続円買いによる円高!
アメリカ経済は長期ドル高でリセッションのリスクが出て来ている。
利上げどころではなくなったのである。
FRBが緩和を止め、利上げを発表する前からIMFのラガルド専務理事は、「どうせ緩和に逆戻りするくらいなら利上げなどしなければいいのに」と言っていた。私は、「FRBには日銀というFRBの日本支社があることを忘れてはならない」と昨年10月のワシントンDCでの金融関連会議で述べた。
日銀の追加緩和(マイナス金利政策を含む)は事実上円安政策だと誰でも思うから黒田総裁はやるべきことをやったと言いたいだろうが、前記シーソーゲームを見ればわかる通り、実際はドル安・円高政策であることは承知のこと。
つまり本店FRBのドル安誘導のための緩和政策を支店の日銀が代行したに過ぎないのである。
おかげでニッケイ連日暴落!、、、本店(アメリカ)のために支店(日本)が犠牲になるのは当然と言うのか?
黒田総裁は日本経済と市場参加者に対する責任を感じていないのか?
「私はやるべきことをやったまで、結果は私の責任ではありません」!
「では総裁、誰の責任ですか」?、、「市場です」!、、「では市場って誰ですか」?、、
「市場に聞いてください」!
これで本日の記者会見は終わります、黒田(大蔵官僚エリート中のエリート)。
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