1066号(2016年4月15日号)

マスダU.S.リサーチジャパン株式会社 http://chokugen.com
携帯サイト http://mobile.chokugen.com/

アメリカの属国優等生日本 

2008年10月からFRB(連邦準備理事会)は金融緩和(QE1)を始めたが日銀の白川総裁はアメリカに従わず緩和量をマネタリーベース以内に収めたように見えた。
通貨の価値を下げて見た目の物価を上げるやり方も、リフレなどと言って過剰通貨による金利上昇を過剰通貨で国債を買って金利を下げるやり方を白川総裁は邪道だと思っていたのかもしれない。
白川総裁を任期前に辞めさせ、ごまかし好きな連中を日銀政策審議委員にかき集め黒田総裁をトップに据えて始めたのが異次元金融緩和である。
3年目(本年4月4日)を迎えたが、GDP比でFRBとECB(欧州中央銀行)の3倍もの資金を投入し、マイナス金利まで導入したが結果は、物価目標(2%)は夢の夢、株価も為替(ドル・円)も3年前に逆戻りで元の木阿弥。


今回の日銀の金融緩和政策を見ていると、5,000万件の年金証書を消しておきながら消滅したなどと野党にリークし、お年寄りから預かった100兆円以上をチャラにするほどの狡猾な官僚の仕事にしてはあまりにお粗末。
アメリカ側から逆探知してみたら、やはり「既定のコース」であった。
元より今回の緩和政策は日本の物価の為でも景気回復の為でもなくFRBの緩和と緩和出口、利上げの方針を補完する為であった。
2008年から遅れて2013年4月から日銀が緩和を始めたのは同年5月からFRBが緩和縮小発表することになっていたからであり、翌年2014年12月日銀が80兆円の追加緩和をしたのは、同日FRBが緩和を止めた為であり、2015年12月にリートやリスク債権向けの緩和を発表したのは同日FRBが0.25%の利上げに踏み切ったからであった。
日銀の緩和政策はすべてFRBの尻拭い又は補完の為以外の何物でもなかったのである。

2月26日上海合意(密約)で日本を犠牲にしてアメリカと中国経済を救済するため「円高介入合意」が出来たので、またもや日本経済は円高で苦しむ。
こんな愚の骨頂のような合意を政治家に結ばせた日本の官僚の真意はどこにあるのであろうか。


1980年末日本経済は超バブルになり、やがて崩壊した。
長い不況から脱出するために箱もの公共投資を繰り返したが財政赤字が増えただけの結果に終わった経験から日本に公共投資タブー論が定着した。
これを覆すには日本経済を不況のドン底に陥れればいい。
1980年末の超大バブルは「円高不況」を煽ることによって実現したことを忘れてはならない。
明治以来日本を操ってきた一握りのエリート官僚のほくそ笑む顔が見える。


「ここ一番!」申込みはこちら
大好評発売中!「小冊子」(Vol.78)申込みはこちら


前へ 平成28年度 次号へ
マスダU.S.リサーチジャパン株式会社
FAX:03-3955-6466
e-mail : info@chokugen.com