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1089号(2016年7月29日号) | |||||||||||||||
ヘリコプターマネー 生みの親はバーナンキ前FRB(米連邦準備理事会:日本の日銀と同じ中央銀行)議長である。 通貨を発行する中央銀行が直接政府の財政ファイナンスをすることを言う。 空飛ぶヘリコプターがばら撒いて地上に降ってくるマネーを使って財政支出をするのだから政府としては金利を払うことも返済する必要もない。 言わば拾った金の使い捨てである。 安倍内閣は「絶対に延期しない」と言った消費税延期をするために有名なノーベル受賞者で経済学者であるポール・グルックマンを官邸に招き、消費税延期論を述べさせた。 通産省時代ブリュッセルで情報活動をし、現在安倍総理特別秘書官をしている今井氏はEU情報通だから6月23日英国のEU離脱で株価がリーマンショック並みの暴落になること知っていて安倍首相に進言、首相は自信を持って「リーマンショックのようなリスクがあるので」と何度も繰り返した。 当時どこを見ても株価暴落の兆しはなかったので野党は「何を寝ぼけたことを言っているのだ」と繰り返したが結果は安倍首相の勝ちに終わった。 安倍首相は実効28兆円以上の財政投融資を発表、財源を問われると「赤字国債は発行しない」、「建設国債を考える」と言い、黒田総裁は「ヘリコプターマネー政策は採らない」と口を揃える。 2013年4月から今日では年80兆円の緩和を行っている。 確かに日銀法で禁止されている直接政府債務を買い取るヘリコプター・ファイナンス(財政ファイナンス)はしていないが、市中銀行に政府が国債を発行、入札する度に買わせた上で日銀が総てを買い取っているのだから正しく財政ファイナンスである。 このままでは政府発行債券をすべて日銀が引き取ることになる。 日銀はヘリコプターマネー政策を緩和スタート以来3年間続けているのである。 そこで日銀に財政協調の名のもとにヘリコプターマネー政策を継続してもらう為ヘリコプターマネーの神様、FRB前議長バーナンキ氏を7月11日首相官邸に招いた。 氏は「日銀には緩和の余地が十分ある」と述べてもらって安倍首相も麻生氏もご満足。 7月23・24日の政都(中国)G20サミットでルー米財務長官は黒田総裁と麻生財務大臣に「通貨安競争は回避すべきだ」と念を押した。 「追加緩和をするな」ということである。 ルー財務長官の発言はバーナンキ氏帰国後であることが重要。 ルー長官は麻生・黒田両人が合意した上海合意(円高・ドル安合意)の精神を7月23・24日の国際会議で繰り返し念を押している。 高い金を払ってバーナンキ氏を呼んでヘリコプターマネーにお墨付きをもらっても国民は騙せても、宗主国アメリカはうんと言わないのでは。 4月市場はほぼ100%日銀の追加緩和を予想していたが裏切られ株価が急落。 私は「ここ一番!」の読者の一部に会合前日に電話して「後場で買えるだけ買うように。明日は黒田総裁の記者会見の前まで株価が上げ続けるから、会見が始まる直前にすべてを売るように」と電話をしたので大儲け続出だった! さあ、今回はどうなるでしょうか。勿論「ここ一番!」の読者にはアドバイス済み。 |
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