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1215号(2017年12月08日号)
「イスラム怒りの日」は「イスラエル歓びの日」

米国時間12月6日トランプ大統領はエルサレムをイスラエルの首都と認定し、将来テルアビブにある米大使館を首都エルサレムに移転すると発表した。
イスラエルとパレスチナとの戦闘は1948年イスラエルが建国されて以来続いたが、オスロ合意(1993年5月)、それに続くパレスチナ暫定自治協定(1993年9月)で平和的解決に向かった。
しかし合意事項(例えばイスラエルの占領地からの第一次撤退1997年5月)をことごとくイスラエルが反故にするばかりか占領地・入植地拡大を続けた為パレスチナはインティファーダ(対イスラエル民衆蜂起)で対抗するしか術がなくパレスチナの対イスラエルテロとイスラエルの報復が繰り返された。
2016年12月国連安保理はイスラエルのパレスチナ入植停止決議案を採択したがイスラエルは無視、パレスチナ、イスラエルの闘争が止まず双方犠牲者が増え続けるのでアメリカが仲介役となって和平交渉が再開された。
イスラエルに対する国際世論は厳しく、アメリカもイスラエルを非難せざるを得ない立場になっていた。
トランプの娘婿クシュナー大統領補佐官は敬虔なユダヤ教信者でユダヤ一極主義右翼で、「イスラエルの占領地はユダヤ人が神から与えられた約束の地だ」と言うネタニヤフ首相の熱烈支援者。
エルサレムはパレスチナ自治政権が国家として国際信任を受け、国連に加盟する時パレスチナの首都になることが約束された都市である。
トランプによるエルサレムのイスラエル首都認定はイスラエルによるオスロ合意並びにパレスチナ暫定自治協定否定に加えてパレスチナ側を同協定と対イスラエル和平交渉ボイコットに追い込むことを狙ったものである。
パレスチナ自治政府並びにイスラム諸国は12月8日を「怒りの日」として今後インティファーダを全面拡大すると宣言した。
和平交渉のチャンスが無くなり、イスラム勢力がイスラエルにテロ活動を展開すればイスラエルは報復で応酬し、さらに占領地と入植地を拡大出来る、、つまりイスラエルの「思う壺」である。
又アメリカにとっても計画しているスンニ派・シーア派の大中東戦争の前哨戦として望ましいステップである。
次なる中東戦争と南北朝鮮戦争の時期と展開については「小冊子」Vol.94を熟読して下さい。



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