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平成30年度一覧
1238号(2018年4月2日号)
何故トランプは自由貿易を否定するのか

「自由貿易はアメリカの対外経済援助である」ことを知らねばならない。
第二次大戦の戦勝国中アメリカは経済インフラの破壊を免れた唯一の戦勝国であった。1944年にブレトンウッズ体制としての国際金融体制が確立されると同時にアメリカはガリオア・エリアの名のもとに日本に18億ドル(無償13億)、又マーシャル・プランの名のもとに欧州に102.5億ドル(無償91億)の経済援助を行った。1951年になると日本も欧州も「経済自立」が出来たのでアメリカは資金援助を打ち切った。その後アメリカは日本や欧州の「経済自立」から「経済自律」への移行を促進する為に「自由貿易」の拡大政策を採った。
自由貿易政策とは世界に向けたアメリカの対米輸出振興策である。他国が高い輸入関税を課して国内産業を保護する一方でアメリカは低い関税で他国からの輸出を促進したのである。戦後のアメリカの資金援助と自由貿易なくして戦後から今日に至る日本経済発展はなかったと言っても過言ではない。
現在日本、欧州、そして中国経済はアメリカの経済援助なしでも自律成長出来る段階に来ている。だからトランプは自由貿易と言う名の対外経済援助政策を続ける必要がなくなったのである。
日本でも世界でも、トランプの反自由貿易と保護主義政策を無謀とか間違いとして非難する声が高いが、世界は最早アメリカの経済援助(自由貿易政策)を必要としなくなったことを知るべきである。
自由貿易という対米輸出振興政策の立案者(創造主)はアメリカであるから、自由貿易の受益者には発言権はない。
「何事も創造主が主で使用者、利用者は従である」。
創造主が創ったものを広めるか止めるかを決めるのは創造主である。
創造主アメリカ(トランプ)が自由貿易を止めることを決めてのだから世界は従わなくてはならない。アメリカが最早自由貿易(対外援助)の時代は終わったと判断したのに自由貿易を追求するのは「物乞い」である。
トランプに「恥を知れ」と言われる前に経済のアメリカ依存、外需依存体質をきっぱり捨ててアメリカファート同様ジャパンファーストなりヨーロッパファーストにすればいいのである。
アメリカと言う世界の政治・経済の警察官がなくなる中での国同士、国家群同士の経済競争と軍事戦争が始まる。
米軍に撤退され、中国に尖閣諸島を占領されそうになる日本にどんな選択肢があるのだろうか。
アメリカに従属しつつ、かつアメリカに代わる中国の覇権下で、軍事力行使が禁じられ核兵器を持たぬ日本が生き残るにはどうしたらいいのか。
またもやキッシンジャーが怒る、しかし中国は受け入れざるを得ない絶妙の日本サバイバル戦略をご披露することにした。
今回の「小冊子」Vol.97は必読!
特に政治家の皆様は是非ともお読みいただきたい。



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