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平成30年度一覧
1256号(2018年6月22日号)
拉致問題と安倍首相

金正恩朝鮮労働党委員長(以下委員長)は平昌オリンピックを契機に対話路線に政治指針を変更、文在寅韓国大統領と4月27日と米朝首脳会談(6月12日)前の5月26日に南北首脳会談が行われ朝鮮戦争終結、年内平和条約を目指すことが確認された。
6月12日予定通り歴史的と言われた米朝首脳会談が行われ、米現行勢力(軍産複合体)と日本が主張してきた朝鮮半島の非核化方式CVID(完全かつ検証可能で不可逆的な非核化)は無視され北朝鮮、韓国、中国、ロシアが望む段階的、同時解決方式に向かうことになった。
米朝首脳会談直前に行われた日米首脳会談で安倍首相はトランプ大統領に米朝首脳会談で拉致問題を取り上げて欲しいと嘆願、さらに対北圧力を強化するよう要望し、トランプ大統領は了承した。
米朝首脳会談の声明文には拉致に記載はなく、トランプ大統領は会談後の談話で安倍首相から拉致問題の要望があったので金委員長に話したと言った。
金委員長は黙って聞いていただけで、日本に言い続けてきた「拉致問題は解決済み」はトランプ大統領には言わなかった。
トランプ大統領は安倍首相の対北圧力強化の要望に対して米韓合同軍事訓練中止、さらに将来在韓米軍の撤退で応えた。(安倍首相の要望とは裏腹)
トランプ大統領は米朝の信頼関係を深める為トランプ個人の電話番号を金正恩委員長に与え、会談後の6月17日に両人は電話会談を行っている。
安倍首相は「拉致問題は我が国の最重要課題」とし、外交の中心にしている。
いかなる国にとっても最重要課題であるべき安全保障を安倍首相は二の次にしている。
もし安倍首相が、安全保障を最重要課題とするなら、日朝首脳会議の課題は「拉致問題ではなく、日朝敵対関係の解消」でなくてはならない。
敵対関係にある北朝鮮と和解もせず、喧嘩している状態で、相手に取られた拉致家族を返せと言って返してもらえると思っているのだろうか。
日朝和解、国交正常化があり、その結果拉致問題解決があるのではないのか。
これは外交問題ではなく「子供の喧嘩」の常識である。
相手に取られた玩具を返して欲しかったら相手と仲直りをすればいい。
年中玩具を返せ、返せとわめいている子供は、やがて誰も遊んでくれなくなる。
米朝首脳会談直前の日米首脳会談後の記者会見で(拉致問題について)安倍首相が「やはり私が直接金委員長に会って交渉するしかない」と言った時のトランプ大統領の顔が忘れられない。
「口を開ければ拉致、拉致では埒(らち)があきませんよ。晋三、肝心なことを忘れていないか」、もう安倍の面倒は願い下げにしてほしい、という顔だった。
金正恩委員長が言う「拉致問題は解決済み」は、「まだ日本が身代金(経済援助金)を払う環境が出来てないだろう。よく考えてモノを言え」と言う意味。
利害相対立する国際社会で指導者たちは言葉、文字、体で会話をしている。
誰とも会話が出来ない安倍首相は金正恩の言う通り「自ら孤立化の道を歩んでいる」のである。
私のインターネット(無料)放送、「安倍降ろしの黒幕」は視聴回数約28万。
みんな安倍首相を心配しているのにご本人は気が付いていない。
残念ながら「さすがに黒幕!」と言わざるを得ない。


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