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平成30年度一覧
1280号(2018年10月1日号)
拉致問題と北方領土問題は「同じ穴のムジナ」
日本の対北朝鮮外交指針は、今後の南北終戦条約、朝鮮半島非核化プロセス、南北朝鮮統一進捗状況、などを見定めて決めるべきである。南北朝鮮統一後の朝鮮半島の平和と繁栄を支える為にも対北経済援助と同時並行で日朝平和条約に向けて努力すべきである。トランプ大統領の「アメリカは北朝鮮の経済援助には1ドルも出さない」の意味は日本に対する「北経済援助の勧め」である。
日本は戦後一貫して「北方領土が返る日、平和の日」(北方領土問題が解決しなければ平和条約は結ばない)を対ロシア外交指針にしてきたが、安倍首相は「新たなアプローチ」の名の下に(密かに)「平和条約が先、北方領土問題は結果(後回し)」に指針転換している。
トランプが日本に求めている北朝鮮外交指針は「日朝平和の日、拉致家族が返る日」であり、平和条約が先で拉致問題は後回しである。トランプは、北朝鮮の対韓、対日脅威を無くし、朝鮮半島を平和にして、在韓、在日米軍を撤退させ「アメリカは最早世界の警察官ではない」の使命を実行しようとしている。
安倍首相がいまだに拉致問題を日本外交の最重要課題であるなどと言っているようでは全く「埒(らち)が明かない」のである。
安倍首相の対ロ外交指針は「北方領土が返る日、平和の日」から「北方領土を想う」に変わったが、日本では「拉致家族が返る日、平和の日」のスローガンが支配的である。今もし安倍首相が「日朝平和の日、拉致家族が返る日」の看板を掲げたら官僚、マスコミ、さらには国民から総スカンを食らい、安倍一強は崩れる。あるべき日本の対朝指針が分かっていても尾首にも出せないのは戦後アメリカの対日洗脳が定着しているからである。日本を真珠湾攻撃に誘導し、日本を無条件降伏させ、そして日本をアメリカの傀儡国にしたのはアメリカだから、今後アメリカが対日支配から日本を解放するのはアメリカの責任であって日本に出来ることではない。「日米安保は日本の安全の要」は大嘘であることをトランプが日本の国民に宣言した時、戦後続いてきたアメリカの対日洗脳が崩れ、「日朝平和の日、拉致家族が返る日」の指針を国民が受け入れるだろう。
しかし今トランプが対日支配を解くと、トランプと金正恩の阿吽の呼吸が読めない安倍が朝鮮半島非核化のプロセスに介入してくるので、非核化プロセスが軌道に乗るまで安倍(日本)をつんぼ桟敷に置いているのである。ところが安倍は肝心な「日朝和平」ではなく、後回しにすべき「拉致問題」で金正恩と会いたがっている。米朝主脳会談準備中に安倍首相は安倍・金正恩会談を模索したが金正恩に一蹴された。ところが一転金正恩は日朝首脳会談に乗り気のサインを送ってきた。金正恩は拉致問題という朝鮮半島の非核化に無関係の拉致問題で日本と取引を進めることにより、トランプと金正恩という稀代の名役者の舞台に安倍という大根役者を登場させようとしている。トランプに名演技をし難くさせようという金正恩の狙いである。安倍が金正恩と会うことはトランプの対北作戦を妨害する為の「飛んで火に入る夏の虫」になることが安倍には分らない。やがてトランプのおかげで対朝平和条約最優先、拉致問題後回しが日本のコンセンサスになるのだから、ばたばたしないでトランプが対日行動を起こすまで出来るだけ拉致問題から遠ざかることだ。「慌てる乞食はもらいが少ない」ことを知るべきである。トランプは金正恩を一人勝ちに誘導し、中国には表向き敵対しながら裏では中国大国化を支援しているのは何故か。
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