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1086号(2016年7月19日号) | |||||||||||||||||||
トランプ米大統領! 「私はトランプの大統領はない」と言ってきた。 選挙戦で、もしトランプが優勢になれば、丁度ゴア優先で迎えたブッシュ・ゴア大統領選のように、投票箱のすり替えや数万のゴア支持者を重犯罪者リストに不正記入して選挙権剥奪をしたように手段を択ばずトランプを葬ると述べた。 それはトランプが軍産複合体であるCIA、NSA(国家安全保障局)、軍需産業を消滅させるような発言を続けていたからであった。 アメリカの政治を支配する軍産複合体に対抗、挑戦した者はすべて抹殺された。 トランプは日本、韓国等アジア地域や世界中に存在している米軍を撤退させると言い、欧州の安全保障機構であるNATO(北大西洋条約機構)まで解体すると言うのだから軍産複合体は消滅しかねない。 軍産複合体のパートナーでありアメリカ議会で最も大きな影響力を持つイスラエル右派の黒幕シェルドン・アデルソン氏(ラスベガスの大カジノ・リゾート王でもある)は共和党にトランプを消すための資金援助をしているといううわさがあったほどだ。 ところが驚くべき事態になった! 本年5月を期してアデルソン氏が所有するイスラエルの有力新聞とメディアが一斉にトランプ支持、クリントン批判のニュースを流し始めた。 中でもネタニヤフ(現首相)新聞とまで言われる日刊Hayom(ハヨム)は大々的にトランプ支持キャンペーンを展開している。 イスラエルのメディアがトランプ支持になったと同時にネタニヤフ首相はアメリカ(オバマ・クリントン前国務長官)の反対を押し切って(1953年のオスロ合意で決まった)A地区(パレスチナ政府管理下)、B地区(イスラエル・パレスチナ共同管理)、C地区(A、B以外)の内C地区を併合すると発表した。 C地区はイスラエルの不法入植地として国際社会から批判されている地域。 C地区でイスラエル軍はパレスチナ人に対して強制追い出し作戦を展開している為隣国ヨルダンへの難民が増加している。 ヨルダンではパレスチナ人の人口が6割に達しパレスチナ人を代表するヒズボラ(イラン支援の過激派組織)が第二党に躍進している。 そのためアブドラ国王は危機感から言論弾圧、集会の自由禁止等々反民主主義の独裁体制化を急いでいる。 当然この動きにオバマ・クリントンが反対するのは当然である。 C地区にパレスチナ人は30万人いるが、もしヨルダンが受け入れるならイスラエルは対ヨルダン経済援助とアブダビ王の独裁体制を容認する構えである。 イスラエルがC地区を併合するとパレスチナ自治政府の領地は飛び地状態になり国家として機能しなくなりやがて自然消滅する。 トランプは「イスラエル入植地(C地区)からモスリムを追い出せ!」と発言している。 クリントンは英国と共に対ロ好戦、トランプは対ロ協調。 ネタニヤフ首相はプーチン大統領と何度も長時間会談を続けている。 アメリカは中東から米軍が撤退した後の中東秩序をロシア(イラン)に任せたのだからイスラエルの安全と領土拡大のために必要なのはクリントンではなくトランプでありプーチンである。 トランプ大統領の政策集団は、トランプのキャンペーン顧問の関係から歴代の大統領、CIA長官、財務長官、FRB議長を輩出してきた外交問題評議会(CFR)である。(ブッシュ親子等超ネオコン派議員を排除した後) 一国主義のイスラエル右派が多極化主義の左派を抑え、軍産複合体も一極化に向かう。 トランプのアメリカ第一主義はアメリカを主導する権力の変化を見事に反映している。 言うまでもないがヒラリー・クリントンは時代遅れである。 |
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