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1104号(2016年9月05日号) | |||||
災害多発は天からの財政出動命令 パリ、モナコ、チューリッヒを経て来週はボルチモア(米国)でAgora Financialの会議(4日間)に参加する。 Brexit(英国EU離脱決定)後の欧州経済の動きを探り、ボルチモアに集まるメインストリーム(主流)のアナリストや評論家たちと10月NY暴落と2017年米新大統領によるアメリカの政治・経済はどうなるかについて議論する。 日本は世界のゾンビ(得体の知れない存在)だから誰も議論したがらない。 マイナス金利導入の結果投資が増えるどころか現金預金額が増える国はないし、国民がGDP比240%の国債を100%保有している国もない。だから何時ものことだが日本について私へ質問が集中する。今回も私を囲む分科会が用意されている。 安倍内閣の経済政策第一次三本の矢の結果、物価目標は全く達成されず、経済成長も前年比平均0.5%でインフレ調整後ではゼロかマイナス成長。金融緩和で株価と地価が上がったので感じられないだけで実際20年間続いているデフレは全く解消されていない。第二次三本の矢が目指すGDP(国内総生産)500兆円から600兆円、出生率1.4から1.8もこのままでは単なるお題目だけに終わりそうである。 日本に長期デフレをもたらしたのは1980年から順調に伸び続け、本格的な成長路線に乗りかかろうとしていた1997年橋本内閣が消費税増税でストップをかけたのと以後の政権が公共投資を削減、規制緩和と構造改革で、ただでさえ供給過剰の需給アンバランスを悪化させたからである。 安倍首相が第一次三本の矢の失敗の反省から内需拡大を目指した財政出動は正しいが財源不足が足かせになろうとしている。 ところが多発災害の復旧という緊急事態で財源のことなど考えていられない事態となり、マスコミも口癖の無駄な公共投資など言っていられなくなってきた。 G20で安倍首相は各国に伊勢志摩サミットで主張した財政出動を呼びかけたが足並みが揃ったとは言えない。それはアメリカをはじめ自国の国債を他国に持たれている国ばかりでこれ以上の財政悪化はリスク大だからである。 日本の国の借金(国債)はほぼ100%国民が持ち外国に持たれていないので財政出動の為にいくらでも国債を発行出来る。 日本の超大財政出動による内需拡大はアメリカの対日輸出を増やし、円高は対米投資を増大する。日本のおかげでアメリカは何もしないで経済成長が出来る。 2017年世界経済を主導するのはアメリカではなく日本である。 入稿間近の「日本経済が世界の頂点に立つ」(ミニ新刊)は事実に基づいて解説するので是非読んでいただきたい。詳しくはこちらをご覧下さい。 |
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