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1107号(2016年9月20日号) | |||||
金融から財政へ草木もなびく いよいよ今日から日銀の政策決定会合が始まり、明日からFOMC(連邦公開市場委員会)が始まるが、イエレン議長も黒田総裁も記者会見で「金融政策限界論」を述べることになるだろう。FRBは2015年12月9年ぶりの利上げに踏切り以後年2‐4回の利上げをすると発表したが今年になってまだ利上げはないが9月の会合で利上げは見送りだろう。ジャックソンホール会議(8月25−27日)でイエレンFRB議長は「利上げの条件が整った」と述べ、又他のFRB理事もタカ派発言をした為9月再利上げの可能性が高まったが、以後8月の雇用が市場の予想に反して15万人台であったことなどアメリカ経済のファンダメンタルズが悪化しているので9月の利上げ予想は15%まで落ちている。 9月利上げが引き金になってNY市場が暴落すればイエレン議長をはじめ民主党で固めている理事たちが支援するヒラリー候補にとって命取りになる点も暗黙裏に考慮されるからなおさらである。FOMCの次期会合は11月1‐2日、12月13‐14日でイエレン議長が記者会見をするのは12月だから、利上げがあるとすれば12月だが、トランプ支持派(ユダヤ資本)が仕掛ける10月のNY暴落等もあり結局年内利上げは出来ないだろう。 今まであらゆる市場はFRB、日銀、ECB(欧州中央銀行)の政策で一喜一憂してきた。イエレン議長、黒田総裁、ドラジECB総裁の言を待つまでもなく、事実上金融政策は完全に限界に達したので市場はだんだん中央銀行軽視になる。 今後(2017年)は安倍首相が提唱する「財政出動」に代表される財政政策で市場は動くことになる。総ての先進国は財政難で累積赤字は増え続け、潜在的財政破綻状態も同然だから財政出動どころではないのが現状。 日本の国の累積赤字は約1,100兆円で地方債等を合わせれば対GDP比240%。 アメリカの100%に比べて倍以上、事実上財政破たん国家ギリシャの160%よりはるかに悪い。世界の評論家はJapan is the last nation to go in for the public investments.(日本は世界で最も公共投資が出来ない国)と言っている。 今日までのG20を通して安倍首相は各国に財政出動を呼びかけたがドイツのメルケル首相が横を向いたように、すべての先進国は財政出動の為に赤字国債を乱発すれば即刻ハイパーインフレに陥ることを知っている。財政上の余裕が5,000億円しかない国の安倍首相が事業規模28兆円の公共投資をすると宣言、閣議決定したのだから世界の識者は驚くより呆れている。世界一悪い財政状態で全く財源がない日本は28兆円どころか無制限に公共投資が出来る特権を持っている。9月16日ドイツ、英国、フランス等ほとんどの欧州、全米の情報発信編集者(Editor)が集まった会合で「日本の財政秘密兵器」につき詳しく述べた。バーナンキ前FRB議長が8月11日安倍首相に会ってヘリコプターマネーや永遠債について意見を述べた後「安倍首相がうらやましい」と漏らしたそうだが、その真意も説明した。「増田氏の講演で我々は正に目から鱗です」と大好評であった。世界の情報クリエーター・発信者に「日本あり、増田あり」の印象を強めたことは大きかったと思っている。 「日本の不思議」の答えは今発売中の「日本経済は世界の頂点に立つ」をお読みください。 ★「日本経済が世界の頂点に立つ」(ミニ新刊)お申込み、詳細はこちらをご覧下さい。 |
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